エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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ライズ/サン・オブ・ローマ(steam版) 〈感想・レビュー・評価〉

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トレーラー

 
 
点数:70点
 
 

メモ

 
・日本語化してプレイ
フルHD(1920×1080)、グラフィック品質は高、30fpsでプレイ
・オフ専のためキャンペーンモードのみプレイ
 
 

短評

 
 クリアまで約6時間ほど。尋常ではないグラフィックの美しさだけで底の浅いバットマンライクのアクションを誤魔化し通すその強引さに一周回って清々しさすら覚える。リプレイ性などほぼゼロに等しいリニア型(一本道)アクションRPG
 
 
 

戦略性というものがほぼ皆無な潔いほど底の浅いアクション・・・・・・そしてド派手なスケールで繰り広げられる「暇を持て余した〇〇の遊び」

 
 今作はプレイ開始1時間程度でやれることが出尽くし、新しい要素が追加されることはラストまで一切ありません。ひたすら同じことをシチュエーションを変えながら繰り返し続けるだけで、中盤以降は実質ほぼ作業プレイに近い状態です。
 
 ですが不思議とラストまでプレイがダレることがありません。それはなぜか? 尋常ではないほど美しいグラフィックの魅力です。自分が今までプレイしたゲームの中でも間違いなくベスト3には入るであろう凄まじいビジュアルの魔力が、この薄いアクション性しか有していないゲームへの興味を繋ぎ止めてくれます。
 
 今作はクライシスシリーズなどを手掛けるドイツのCrytek(クライテック)社のゲームエンジンであるCryEngine(クライエンジン)という、そもそもグラフィックの綺麗さは折り紙付きの高性能ゲームエンジンを使用しています。ハッキリ言って今作はアクションゲーム部分がオマケで、主役はこのゲームエンジンの性能が叩きだすとんでもないグラフィックの豪華さのほうです。
 
 Xbox oneのローンチ(本体と同時発売)タイトルだけに、新ハードのグラフィック性能のプロモーションだけに特化した様な作りで、アクションRPGRPG要素はほぼオマケ)としては非常に満足度が低いです。
 
 バットマンライクなボタン一つでお手軽にできる攻撃・パリー・ガード崩し・回避などのアクションと、敵のライフを一定数削ると可能となるQTE処刑(QTEと言っても処刑ボタンを押した瞬間処刑は確定するのでただのヒットストリークを伸ばすためだけのボタン入力)、ほぼ反則的な強力さのフォーカス(バレットタイム)など、どれもこれも大してシステムとして深みはありません。
 
 唯一面白いと思ったのはQTE処刑を行う際に経験値増量・ライフ回復・フォーカス回復・ダメージ増量という4つの効果のうちどれか一つを十字キーでワンタッチで装着できる点。ライフが減っていたら処刑でライフを回復したり、経験値を稼ぎたかったら経験値ボーナス効果をセットするなど、処刑実行中でもその場その場の状況を鑑みて瞬時に効果を変更できるこのシステムは唯一単調な作業プレイの中で思考を促がされる貴重な刺激でした。
 
 このようにアクション性は単調です・・・・・・しかし、今作がグラフィックをウリにするということを方針としているのだと考えると、確かに合点がいきます。バットマンライクな操作の煩わしさとは無縁でかつそこそこテンポのいいバトルシステムを採用することでプレイヤーへの負担を減らしていたり、戦闘のテンポを著しく削ぐようなスローモーション多用なQTE処刑のド派手さは、テンポ命のアクションゲームとしては明らかにマイナスなのに、グラのキレイさを際立たせるためには効果的な演出だったり。グラ押しゲームとしてはある程度考えられているため、ラストまでさほど飽きずにプレイさせる程度にはシステムの単調さを隠蔽することに成功しています。
 
 ただ、グラが綺麗なのは没入度が増して良いのですが、物理演算オブジェなどが設置されておらず、同じくグラが綺麗なダイイングライトをプレイした時も感じた、世界が美しいのにどこか硬質で、プレイヤーの干渉を極端に拒むような印象が強いのがやや気になりました。ダイイングライトもあまりにもグラがリアル過ぎるため、「このオブジェは壊せるのかな?」と思っても触れることすらできないことで、逆に作り物感が浮いたり、壊せそうなのに壊せないということがストレスに感じたりと、そこは今作も似たような感触で残念なところ。
 
 この物理演算オブジェなどを介してゲーム世界に干渉できるということはプレイヤーとゲーム世界の距離を縮めてくれる役割を果たしていると思うので、今作のようにグラの美しさで没入させて最後まで一気に持っていくといったタイプのアプローチなら、もう少し世界が柔らかく感じられる工夫があっても良かったはず。一応は壊せる壺などのオブジェも申し訳程度に設置されてはいますが、もう少し乱闘している際などに周囲の物に干渉し自然に破壊できるなど、リニア型でガチガチの一本道を進み続けるだけの凝り固まったゲーム体験をほぐす工夫が欲しかったです。
 
 
 

まとめ

 
 アクションゲームとしては低レベルで処刑モーションの派手さ以外は特に印象にも残りません。しかし、今作最大の武器である圧倒的なグラフィックの美しさと、それを生かしたドラマはムービーパートだけに留まらずゲームパートにも良い影響を与えており、しっかりグラがゲーム体験の底上げもしているのは好印象でした。それとやはり“300(スリーハンドレッド)”や“グラディエーター”ごっこゲームとしては迫力があり満足。
 
 劇中、主人公マリウスはひたすら気合だけで敵に突撃し続けますが、それがグラの魅力だけを信じて強引に突き進み続ける今作を象徴しているようで、なんだか微笑ましくもあります。
 
 
 

 

 

Ryse:SonofRomeレジェンダリーエディション

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