エンタメ不感症の患部に巻く包帯

デッドスペース3(Origin版) 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 

点数:80点
 
 

メモ

 
・日本語化してプレイ
フルHD(1920×1080)、映像設定はベリーハイ、60fpsでプレイ
 
 

短評

 
 ホラーシューターだった1、2からホラー要素を減らし、クラフトシューター化したおかげで、作品としての高級感は減ってしまったものの、中毒性を獲得することに成功した。クラフト要素の作り込みが甘くまだシステム的に発展途上感が否めないが、武器クラフトによりもたらされるシリーズ中屈指の中毒性は圧巻。
 
 
 

「そんな、デッドスペースが駄作に・・・・・・あれ?」

 
 まず初めにプレイ開始直後ネクロモーフ(シリーズお馴染みの敵クリーチャー)ではなくこれまでは無かった人間との撃ち合いになり、そのあまりの出来の悪さにバイオハザード6をプレイした時と似たような「また名作シリーズが駄作になり果ててしまったのか・・・・・・」という再度の絶望感を覚えましたが、徐々に自分の早合点だったことが分かりほっと胸を撫で下ろしました。
 
 これまでネクロモーフとだけ戦っていた前シリーズとは異なり、バイオハザード4以降のような対クリーチャーと同時に対人の銃撃戦要素も加わり、これが対ネクロモーフの切断を重視するという独特な戦い方を追及してきたこれまでのアプローチと食い合わせが悪く、ただ無理矢理に対人戦をねじ込んだ強引さだけが浮き上がるだけで、これをいきなり序盤から体験させられ今作に対する印象が最悪な状態からスタートするという紛らわしさがあります。
 
 敵が投げたグレネードをキネシス(物体を引き寄せたり飛ばしたりするシステム)で相手に投げ返すといった独自の面白味もあるといえばありますが、対人銃撃戦の出来の悪さは本当に酷いの一言。パッドでプレイしていると、今作から対人戦を想定してか右スティックを軽く押すとしゃがむという動作が追加されたせいで、シリーズお馴染みの右スティックの押し込みでロケーター(ナビゲーションシステム)を起動しようとすると間違ってしゃがんでしまう誤動作まで起こる始末。
 
 カバーもリーンも何もない対人の銃撃戦周りの酷さにプラスして、多分武器クラフトシステムの影響か、デッドスペースの肝でもあったネクロモーフの部位を切断していく際の切断感の手応えが後退し、鋭利に切断しているというよりもただ千切れているだけのような感触になってしまったのも残念。
 
 ただ、システム周りの酷さに対し操作性だけは相変わらず抜群にいいので、そういうものだと割り切れば何とか我慢は出来る程度の欠点ではあります。
 
 

作り込みが甘いクラフトシステム

 
 これまでアイテムを買う際に使用していたクレジット(お金のようなもの)をリソース(資源)という概念に置き換え、この複数ある資源を消費し、武器や武器に装着するパーツ、弾薬(今作から全武器の弾薬が一元化された)や回復アイテムをクラフト(作成)するというシステムが追加されました。
 
 ゲームの序盤は前作の2から引き続きレスポンスの良い抜群の操作性も相まって、非常にゲームのテンポが速く、その怒濤のテンポ感に押し流されるが如く進むため、欠点などほとんど目に留まりませんが、中盤から徐々にシステム的に息切れをしだし、これまで気にならなかった欠点が浮き彫りになり始めます。
 
 まず、クラフトゲームに必須な新しいアイテムをクラフトした際の喜びが希薄な点。これは、資源がただマップのそこら辺に落ちているだけだったり、湧いてくる敵を倒すと機械的にドロップするだけだったりで、プレイヤーが能動的に欲しい資源を狙って入手できないという入手プロセスの不備が大きな要因です。
 
 例えば、同じくクラフトアクションゲームであるモンスターハンターでは、鉱石を入手したければピッケルを持って岩場の採掘ポイントを探したり、虫を捕まえたかったら虫あみを用意して採取ポイントを探したりと、プレイヤーが欲しい資源を能動的に収集できますが、今作はプレイしているといつの間にか資源が溜まっているだけで、クラフトしたいアイテムから逆算して資源集めをするという楽しみがありません。
 
 資源の入手に苦労するというプロセスを経ていないため武器やパーツ、アイテムのクラフト、資源を消費してのスーツ強化などの際に、特に何かを選ぶとそれ以外の何かを諦めなければならないという葛藤がさほど生じず、複数ある候補の中で何をクラフトするか選ぶということに緊張感もなし。
 
 クラフトとはレアなアイテムを手にする瞬間を思い描きながらせっせと材料集めをする苦労によってこそ輝きが増すもので、レアなアイテムの入手それ自体で喜びが生じるワケではありません。
 
 モンスターハンターの様に苦労して大型モンスターを狩っても、得られる素材は僅かで、その素材を使って武器や防具をクラフトする際はどれか一つに絞らなければならない、といった苦渋の選択を強いられることがないため、結果アイテムをクラフトしても達成感が薄く、お金をマネジメント(やりくり)していた過去作とさほど印象が変わらない結果に。
 
 スカベンジャーボットという、マップ内の特定ポイントに任意に設置すると資源を自動で収集してくれるというシステムもありますが、これも存在理由がよく分からず、こんなどうでもいいシステムにするくらいなら、プレイヤーが欲しい資源を指定して探させるといった至極真っ当なものにして欲しかったところ。
 
 ただ、武器クラフト要素は非常に魅力的で、フレームの上段ツールと下段ツールにそれぞれ好きな武器を装着できるという自由度が生まれたため、上段はマシンガン、下段はショットガンや、上段は遠距離攻撃用の武器、下段は接近戦用の武器といったように、プレイヤーがあれこれ試行錯誤して武器の組み合わせを考えられるようになりました。割と序盤から武器カスタマイズ用の高性能なアップグレード回路が簡単に手に入ってしまい、武器性能があっさり限界に達してしまうという問題もありますが、この点は過去作の固定武器を強化していくタイプよりも格段に進化しており、今作の中毒性に大きく貢献しています。
 
 

不満あれこれ

 
 Co-opが追加されたことの影響か、これまではセーブポイントでプレイヤーが任意のタイミングでセーブ可能だったのがチェックポイントでのオートセーブとなり、このせいで次のチェックポイントまで進まずに途中で中断してしまうと、中断した際のアイテムだけ持ち越してかなり手前のチェックポイントからやり直しさせられたりと、毎回止めた箇所と再開する箇所が微妙にずれ、面倒な点。
 
 後、今作から明確に接近戦用の武器が追加されたためか、やたらネクロモーフの動きが速くなり、四方八方から接近され肉薄した状態で囲まれる事態が多発し、そのせいで戦闘がぐちゃぐちゃになりがちで、ここまで毎回戦闘が激しすぎると、繊細な演出を必要とするホラー要素は相殺されてしまい、プレイ中恐怖を感じる瞬間はゼロに近いです。
 
 

まとめ

 
 要素を足そう足そうとした結果システムが足し算的になってしまい、バランス調整が大きく歪んでしまった感はありますが、それでもテンポの良さや、新要素の武器クラフトの魅力で初回プレイ時はクリアまで退屈さを感じさせることはない圧倒的な密度で楽しませてくれます。
 
 
ホラーゲーム

 

 

 

DEAD SPACE 3 ※英語版

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Dead Space 3  (英語版) [ダウンロード]

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Dead Space 3 (輸入版:北米)

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