エンタメ不感症の患部に巻く包帯

メダル・オブ・オナー/ウォーファイター(Origin版) 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 

点数:75点
 
 

メモ

 
フルHD(1920×1080)、映像設定は中、60fpsでプレイ
・オフ専のためキャンペーンモードだけプレイ
 
 

短評

 
 前作のメダルオブオナー(2010)とは同じシリーズと思えないほどの進化を遂げ、堂々とした風格に。やや単調さが弱点ではあるものの、キャンペーンモードの出来は平均的なFPSシューターの中でも高めな部類。
 
 
 

BF+CoD=中度いいバランス

 
 バトルフィールド3と同じゲームエンジンのフロストバイト2で作られているため、ほとんどバトルフィールドシリーズとそっくりですが、ミッションの雰囲気はコールオブデューティにやや近く、丁度これらのシリーズを足して二で割ったようなバランスの良さです。コールオブデューティのモダンウォーフェアやブラックオプス的な特殊部隊感とバトルフィールドのリアリティのある銃器描写が合わさり、シューター系のゲームではどちらかと言うと軍隊感というよりも特殊部隊感を味わいたい自分としてはかなりどんぴしゃに近い内容でした。
 
 前作のメダルオブオナー(2010)はXbox360版をやり、今作をPCでプレイしたからということもあるのでしょうが、操作性が桁違いに向上したことで、ほとんど別のゲームをやっているかの様な劇的な進化っぷりに驚かされます。どうしてもグラフィックや挙動のリアルさで言うとバトルフィールドには及びませんが、バトルフィールドのキャンペーンモードはいつもどこか突き放したような無機質な印象なのに対して、コチラはコールオブデューティのようなプレイヤーに対するサービス精神大盛りな作りで、自分的にはプレイしている最中の没入度でいうとバトルフィールドシリーズよりもコチラが断然上でした。
 
 敵をヘッドショットで倒すと画面にヘッドショットで倒した旨を知らせるアイコンが表示されたり、便利で気持ちいいスライディングが使えたりという前作の長所だった部分は引き継がれ、前作では酷かったリーン動作などはしっかり改良され遥かに使いやすくなっていたりと、操作周りの快適性はもはや前作とは別次元となり、動かしているだけで快感です。
 
 

舞台がオーソドックスな転戦型に

 
 前作は最初から最後までアフガニスタンだけの話で、舞台が固定だったのに対し、今作はよくあるミッションごとに世界中を飛び回り舞台が移っていくタイプに。前作をプレイした際はずっとアフガニスタンでのミッションが続くため、途中から飽きが来て、不満が多かったのですが、これが不思議なもので、今度は世界中を飛び回ると前作の舞台が固定されていたほうが話し運びが落ち着ついていて良かったなと感じてしまいます。
 
 前作のキャンペーンモードはお世辞にも出来が良くありませんでしたが、舞台を一カ所に固定してその場所を徹底的に掘り下げていくというスタンスは継承して欲しかったです。スペックオプス:ザ・ライン的に後戻りできないほどにその土地や事件の暗部に踏みいり、最初と最後で舞台に対する印象が決定的に変わるなどの方向性にしたほうが、もっとコールオブデューティバトルフィールドなど、非常に印象が似通ったシリーズと明確な差別化が図れたはず。結局実際に起こった事件を元にしたという断片的なエピソードが並列されて語られるだけで、ただのスケール感やけれん味の薄いコールオブデューティのようになってしまった感もあり、前作のアフガニスタンが懐かしく思えるほど。
 
 

不満あれこれ

 
 前作で非常に好みだった武器交換ボタンを素早く二回連続して押すとメインの二つの武器とは独立したサイドアーム(ハンドガン)に瞬時に切り替わるというシステムがなくなり、ハンドガンもメイン装備の一つとして組み込まれてしまいガッカリさせられました。このためアサルトライフルサブマシンガンをリロードするよりもハンドガンに切り替える方が速いというFPSではありがちなのにうまく機能しているのをほぼ見たことがないシステムをうまく機能させていた前作の良さが無くなってしまっています。それに、なぜか落ちている武器を拾い他の装備に変えようとすると勝手に拾った武器を捨ててしまうという謎の仕様に変更されたせいで、プレイヤーが持ち運ぶ武器を決めることができず常にメイン武装を使い続ける羽目になり、もはや落ちている武器を拾えるというシステムに意味すらなくなっているのも残念。
 
 チェックポイントの間隔が長めなのもやや気になり「あそこくらいから再スタートかな」と思っていると、その地点の遙か手前からやり直しさせられ、しかも一つ一つのシークエンスが長めなことも相まって、ようやく長い時間掛けて敵を全滅させたのにちょっと進んだところでうっかり死んでしまい、また長い長い銃撃戦を一から繰り返させられるという事態が頻発するのは若干ストレスが溜まります。
 
 後、不満というかこのシリーズ特有の癖というか、非常にアメリカ軍のプロパガンダ色が強く、コールオブデューティのようにアメリカ軍と殺し合ったりするもの(モダンウォーフェア2)、アメリカを批評的に描くアプローチなもの(ブラックオプス2など)に比べるとイデオロギー的に単純に見えてしまい、その性でシリアスな感じのドラマがやりたいのでしょうが、やや深みや厚みにかけて見えてしまうという問題も生じています(コールオブデューティで言うとゴーストのような単純さ)。
 
 

まとめ

 
 距離をとって睨み合いながら銃撃戦をするというシチュエーションがやたら多く、単調さを感じる部分も少なくなかったですが、前作から大幅に改良された操作性の良さがマイナス分を補い、結果的には非常に満足度の高いキャンペーンモードでした。