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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

ディアブロ3(PS3版)

 

プレイ動画


点数:80点
 
 

短評

 完璧に近い美しさのゲームデザインを誇った2とは異なり、アクション寄りで爽快感重視のやや俗っぽい方向性にシフトした結果、アクションゲームとしては数段魅力を増したものの、2の唯一無二感は損なわれた。全体的にどこかが良くなるとその皺寄せを喰らいどこかは改悪してしまっているというパターンが多く、良くなった箇所と改悪した箇所で、改悪の印象のほうがやや勝ってしまう。
 
 

PCゲーム用からコンシューマゲーム用のUIに

 
 キーボード+マウスでの操作を前提としていた2(や3のPC版)から、ゲームパッドでの操作用にキーの割り当てが最小に留められた結果、もたらされる印象にかなりの差が生じる事に。
 全体的にPC用だったシステムをコンシューマ用(ゲームパッド用)に移行するため、キー数が多めで煩わしかった部分を簡易化したり、操作周りがゲームパッド用に最適化されたおかげで非常にプレイしやすくなり、2のやり過ぎで腱鞘炎が悪化した自分としては至れり尽くせりな快適さです。
 
 ただ、2では最重要とも言えるほどの存在感があり、戦闘中に切れたら即死亡だったポーションが今作では取り回しも効果もオマケのような扱いとなり重要性が後退。
 ポーションの重要性を後退させ、スキルツリーによる成長性も廃止し、攻撃スキルのセッティングと運用をメインに据えるというアクションゲーム的な方向性への舵の切り方は失った面白味も相当に大きく、プレイしていると覚える激しい違和感に最初は戸惑いましたが、一週クリアして二週目に入る頃にはすっかり「この爽快感路線もこれはこれでアリだな」と思える程度には馴染み、好意的に受け止められる様に。
 
 

緊張感が死に、爽快感が誕生

 
 自分的に最も2との違いでガッカリさせられたのは戦闘中に死んでも大きなペナルティが存在しない点。まさにその部分のバランス設定の絶妙さに惚れていたため、これはほとんどディアブロという名前が付いただけの別のゲームをやっているかのような錯覚に陥るほどでした。
 
 2は戦闘で死亡することにペナルティを設けることで緊張感を持続させ、プレイヤーに雑なプレイをさせないように背筋を伸ばさせる働きがありましたが、今作は死亡してもその場で復活でき、ペナルティも武器・防具の耐久率が減るだけという非常に甘いもので、もはやペナルティの役割を果たしてすらいません。
 
 これは2と異なり、ペナルティという緊張感で集中力を持続せるというアプローチを止め、敵を薙ぎ払う爽快感に酔わせプレイを盛り上げ続けるというアクションゲーム路線への仕様変更の影響らしく、ゲームとしてほとんど2と別物といっても過言ではないほど感触が異なります。確かにアクションがど派手で広範囲攻撃がベースになったため大量の敵をスキルで薙ぎ払っていくバトルには爽快感はありますが、その代わりに死亡時のペナルティが無い分どうしてもプレイが大味かつ単調になり、2ではありえなかった眠気を覚えるほど。
 この眠気はシナリオが完全一本道になり、ただひたすら言われた通りに前に進むだけでプレイヤーが考える余地が皆無になったことと、一本道になった割りに異常にダンジョンが長くて平板なことも災いしており、深刻に感じました。
 
 路線を爽快感重視のアクションゲーム寄りに変更したのに、レベルデザインがそれ用に調整されておらず、結果プレイヤーに眠気を感じさせるという隙が生じてしまったのが残念でした。
 
 ただ、やはり2に比べたら格段にアクションゲームとしての楽しさは増しているため、強力な武器を拾い、それを装備し敵をど派手に薙ぎ払うというハクスラジャンルとしての喜びがより体感で味わえるようになったのは大きなプラス要素の一つ。
 
 ですが、自分的には失った緊張感と手に入れた爽快感を天秤にかけると失った緊張感のほうがやや勝る印象です。
 
 

高級感の減少

 
 2にはあった生理的な嫌悪感を催すようなグロテスクな造形の敵や、ギミックなどの雰囲気作りが目減りして、作品的に一貫していたホラー風味が後退。
 今作はとにかく派手でバカでかい建造物(ダンジョン)が次から次に出てきますが、バックボーンとなる世界観設定やシナリオがスカスカであまり効果を発揮できていません。
 そもそも完全一本道でガチガチに縛り、プレイヤーに考える隙すら与えないため、やらされている感が半端ではありません。
 
 目標を提示し、それをプレイヤーが自らの意志で遂行するというプロセスを省いてしまったため、2のほどよい自由度と、しかしどこに行くのか迷うことはないというバランスの妙が崩壊し、自分が今どこで何をやっているのかが不明瞭なままで、前に進んでいるという達成感が乏しい、機械的にクエストをこなしていくだけの味気ないプレイ感になってしまっています。
 
 2にはあった、マップを歩いていると知らず識らずのうちに高レベルの敵がいるエリアに迷い込んでしまいフルボッコにされるといった不意の事態に遭遇するなどの刺激がなく、単調さが支配するマップは見た目が派手なだけでディアブロとは思えないほど薄く退屈です。
 
 

2に比べて良くなった箇所

 
 まず、2にあった、鑑定するまでどんなスキルが付加されているのか不明な武器・防具をショップで買うギャンブルという要素が無くなり、代わりに鍛冶屋で装備をクラフトする要素が追加された点。
 
 新しい装備をクラフトする際には素材が必要となり、その素材はマジックアイテム(スキル付き装備) を分解して手に入れなくてはならないため、片っ端から拾ったマジックアイテムを分解することに。
 このため、2ではマジックアイテムを手に入れても、必要なければ全てショップで売って処分するだけだったのが、新しい装備のクラフト用にどれだけ弱いマジックアイテムでも素材に変換すれば価値が生まれるようになり、アイテム拾いのモチベーションが向上しました。
 
 持てるアイテム量が飛躍的に増えたことで、アイテムを拾う際にいちいち拾うかどうかを悩まなくて良くなった点や、拾った装備で不必要なものはジャンク品指定すれば、一括で分解したりショップに売却できるという便利機能が追加されたこともプラスに働き、2に比べると単純にアイテムを拾うことが快感として機能するように。
 レアアイテムを拾う喜びが増し、かつアクションゲームとしての爽快感が増したことで、拾った強力なレアアイテムを使って戦闘する際の興奮は2を軽く凌駕するほど。
 
 

不満あれこれ

 
 ポーションは店でアイテムとして購入するタイプではなく、シャイニングフォースやダークソウルのような特定ポイントで補充する、ゲームの進行と共に持てる最大量が徐々に増えていくタイプのほうがメリハリがあったはず。
 今作のポーションバイオハザード6のハーブタブレットすら連想させるほどあまりにも存在価値が薄すぎて少し不憫なほどです。
 
 後、ディアブロは物語の楽しさが云々という作品ではありませんが、いくら何でも2のシナリオを引きずり過ぎているため、2で戦った三大悪(ディアブロ、バール、メフィスト)に比べて小者感が強い四小悪(2ではACT.1のボスのアンダリエルやACT.2のボスのドゥリエルと同格)のベリアルやアズモダンが物語的に重要なポストなのがややしょぼい印象を受けます。
 
 前作でナッパやベジータと戦った後に、続編でラディッツと戦わされるようなスケールダウン感を覚えました。
 
 それに、いきなりラスボスとしてディアブロが登場する終盤の展開がやや唐突過ぎるなど、2では終始ディアブロをメインに据えた落ち着いた話し運びだったのに、今作はやや展開がとっちらかっているのが気になりました。
 
 

まとめ

 
 初回プレイ時は、あまりにも神ゲー過ぎた2の続編ということでマイナスの部分ばかりに目が行ってしまいましたが、トータルで見ると2には及ばないまでも、爽快感重視のハクスラアクションRPGとしては十分過ぎるほど楽しませて貰ったため、非常に満足です。
 

 

 

 

ディアブロIII

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