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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

ディアブロ2(Battle.net版)

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キャプチャー画像

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点数:95点
 
 

メモ

リザードBattle.netで英語版(DL版)を購入し、通常版のみと拡張パックを日本語化してプレイ拡張パックをインストールするとゲーム自体が起動しなくなる不具合が起こるため、拡張パックのプレイは断念)
 
・通常版を日本語化した状態で拡張パックをインストールしようとしたため不具合が生じていただけで、通常版をそのまま(英語版)の状態で拡張パックをインストールすると、問題なく起動し、その後に日本語化も行えた
 
・オフ専のためシングルプレイヤー(オフラインモード)のみプレイ
 
 

短評

 シンプルイズベストなゲームデザインの一つの究極に達している怪物ハクスラアクションRPG。一度中毒の底なし沼に足を踏み入れると作品の虜となり、抜け出せなくなる魔性の魅力を備えた大傑作。
 
 

魔のルーチンワーク

 
 中毒性の高いゲームは往々にしてプレイがやや作業的になりがちですが、今作もご多分に漏れず、心地よい作業感を堪能できます。
 
 ゲームの起動が高速で、かつルール設定や操作周りが非常にシンプルなため、ゲームを開始すると超速で作品に没入し、そのままシステムに意識が溶け込むかの如く中毒性の虜になります。
 無駄な工程を省き、複雑なシステムを徹底的に避け、余計な派手さ(刺激)を抑えることでゲームへの没入度を瞬間的に最大値まで引き上げてしまうゲームデザインは恐ろしさすら感じるほど。
 
 戦闘は敵や画面をマウスでクリックするだけの地味なもので一見すぐに飽きが来そうなものですが、敵を倒した際のうめき声やSEが小気味よくいいアクセントになっていたり、大量に出血し地面を鮮血で濡らしながら死んでいく敵のアニメーションが凝っており、ただ群がる敵を倒していくだけで辺りに死体の山が築かれていくというビジュアル的な爽快感が味わえたりと、プレイの心地良さをアシストする演出周りが丁寧で、隙がありません。
 
 目標設定も明快そのもので、今作は移動する際には中継点(ウェイポイント)というダークソウルでいう篝火(かがりび)のような一度起動したらその後は自由に行き来できるようになるワープ機能を用います。その中継点(ウェイポイント)がどこのエリアにあるのかという情報が最初からオープンにされているため、メインのクエスト進行と平行し中継点(ウェイポイント)のある目標エリア内を探索するという感覚的に分かりやすい目先の目標が常に提示され続け、プレイに迷いが生じることが皆無に近いです。
 
 あらゆるシステムが中毒性に従属し、それを強化することに徹しているため、ハリウッド黄金時代の映画のような無駄のない引き算的な美しさを極めたゲームデザインに感動すら覚えるほど。
 
 

YU-NOを連想させる時間と手間を天秤に掛けさせるペナルティ設定

 
 YU-NOのA.D.M.S.(アダムス)システムは宝玉をうまくマップ上に設置しながら進めないと膨大な時間をロスするという緊張感によりゲーム性を生みだしていましたが、今作ではタウンポータルという簡易ワープ機能がそれと似たような働きをしています。
 

 
 メインで用いるワープ機能は前述した通り中継点(ウェイポイント)ですが、その他にタウンポータルというプレイヤーがアイテムを使い自らの意志でどこにでも設置できる使い切りの簡易ワープ機能があります。このタウンポータルという機能は、ダンジョンだろうとどこだろうと何時でもどこでも設置でき、一瞬で街(拠点)まで戻ることができる代わりに、ゲームを中断して止める際には消えてしまいます。今作はオンラインモードをベース(?)にしているためか、複数セーブスロットなどはなく、風来のシレンシリーズのようにあらゆる行動にやり直しが効きません。どんな選択肢を選ぼうが、選んだらもうその行動の取り消しは不可能です。
 
 今作は敵にやられるとやられた箇所に操作キャラの死体が装備品を身に付けたまま残るという、デモンズソウルやダークソウルにおけるソウルのような仕様で、この死体から装備品を回収する方法は二つ。一つは設置したタウンポータルは消えますがゲームを一度リセットして再開するとリセットする場所がどこであろうと強制的に街(拠点)から再スタートとなり、スタート地点の隣には先程の操作キャラの死体が移動しており、それを回収すれば装備品は戻ってきます。
 もう一つの方法は死体がある場所まで戻り直接回収するやり方ですが、これが肝です。マップやダンジョンには大量の敵がうじゃうじゃとひしめき合い、とてもではないですが終盤などはその中にメインの装備品を欠いた状態で踏み込めば一瞬でフルボッコにされあっさり死亡します。プレイヤーがやられるということは大概はこの大量に湧きまくる敵群の中か強力な敵(ボスなど)の近くに装備品がある状態で、それを回収する作業は並大抵の苦労ではありません。
 ここでプレイヤーは選択を迫られます。
 
1.  タウンポータルが消え、それまで撃破した大量の敵も復活してしまうため時間はロスするがゲームをリセットしてまた拠点から安全に再スタートするやり方
 
2. うまくいけば時間のロスが回避可能な、設置したタウンポータルで戻り敵群の中から死に物狂いで装備品を回収するやり方
 
 1を選んだ場合は楽に装備品を回収できますがもう一度時間を掛けてやられた場所まで大量の敵に進路を阻まれながら移動し直さなければなりません。2を選んだ場合は画面を埋め尽くさんばかりの敵群の中から装備品を回収するという苦行を強いられますが、うまくいけば敵群の中でうっかり死亡してしまったという失敗を帳消しにすることも可能です(タウンポータルをきちんと設置しながら進んでいることが前提ですが)。
 
 このようにプレイヤーがタウンポータルをきちんと設置しないという雑なプレイや、うっかりミスで大量の敵群の中で死んでしまうと、YU-NOで言うと宝玉セーブの設置場所を間違える、もしくは設置し忘れるといううっかりミスで時間をロスするのと同様のペナルティを支払わせられる羽目に。
 風来のシレンシリーズのようにやられると鍛えた武器・防具を全て失うという装備品と同様にやる気まで失いかねない重いペナルティではなく、YU-NO的な雑なプレイや失敗イコール時間をロスさせるという良い塩梅のペナルティ設定で絶妙なストレスの圧を掛け緊張感を生み出し、かつプレイヤーの工夫でその時間のロスすら回避できるチャンスまで与えられるというゲームバランスは見事としか言いようがありません。
 
 自分は丁寧なプレイをしている限りは問題はなく、うっかり油断して雑なプレイをすると即ゲームオーバーになるというゲームバランスが非常に好みなため、今作のバランスはその方向性の極致に近く、これまでプレイしたゲームの中でも間違いなく最高クラスの完成度でした。
 ヒット&アウェイで敵に囲まれないように戦っていればそうそう死ぬことはありませんが、少しでも雑なプレイをしたら一瞬でフルボッコにされ、街(拠点)からやり直しor装備品の強行回収という二択を迫られ続けるため、太く丈夫な緊張の糸が途切れることがありません。
 
 

不満あれこれ

 
 ハクスラ要素がメインのわりにあまりにも持てるアイテム量や預けられるアイテム量が少なすぎて、ドロップするアイテムを普通に拾うことや、レアなアイテムを保管することすら困難な点。タウンポータル機能があるため、アイテムが一杯になったらその都度街(拠点)に戻れますが、いちいちアイテムが満杯になる度に街に戻っていたらいつまで経っても先に進まないため、テンポを維持するために大量のアイテムを捨てたり無視して進むため、途中からアイテムは拾う物ではなく捨てたり無視する物という認識となり、敵がアイテムをドロップしたり、宝箱などを開けることに喜びがまったく生じません(元々マップやダンジョンの宝箱やオブジェにそれほどレアなものが入っていないという問題もありますが)。
 
 レアなアイテムを拾っても保管する場所がないため泣く泣く手放すという部分は取捨選択の心地よい苦悩が味わえてプラスとも取れますが、槍(スピア)や弓、ジャベリンなど複数の武器を使うアマゾンなどはそれら複数の武器の中から良い物を取っておくという選択肢すら困難です。そのせいでメインで使用する武器やスキルを絞らなくてはならなくなり、結果弓をメインで使いながら偶然手に入れたレアな槍(スピア)もたまには使ってみたいのに槍(スピア)を保管するスペースがそもそもないため捨てなければならないなど、アイテムを保管できる量が少ないことでプレイの幅が狭まってしまうこともあり、非常に勿体ないと感じました。
 
 
[※追記]
 
 拡張パックを適応するとアイテムの保管量が倍に増えるため、保管できるアイテム量が少なすぎるという不満はほぼ解消されました。

 

通常版

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拡張パック適応後

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まとめ

 
 自分の好きなRPG生涯ベスト3には確実に入る超弩級の大傑作。
 
 この作品をプレイする前と後でRPG観、延いてはゲーム観そのものに強い影響を受けるという幸せなゲーム体験を味わえ大変満足です。
 
 

余談

 
 途中までマウスのボタンを押しっぱなしにすれば連続攻撃をオートでしてくれるということに気づかず、いちいち一回の攻撃に付きワンクリックし続けていたら、元々ゲームのやり過ぎで右手首が腱鞘炎気味だったのが悪化してしまいました。
 
 押しっぱなしにすればいいのにそれに気づかず効率の悪いプレイを続けてしまったせいで腱鞘炎というペナルティをし払わされることまでもどこかディアブロゲームデザイン的。
 

 

 

Diablo 2 + Expansion Set (PC) (輸入版)

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