エンタメ不感症の患部に巻く包帯

ファントムブレイカー:バトルグラウンド(Xbox360版) 〈感想・レビュー・評価〉

f:id:chitose0723:20160731181710p:plain

 

トレーラー


点数:75点
 
 

短評

 
 5pb趣味のレトロテイスト処理された、一見古めかしい外見をしているものの、中身は非常に良くできた横スクロールアクションRPGコスパ的に大満足。大量の敵を一度に薙ぎ払う爽快感は相当なもの。
 
 

快楽の波状攻撃

 
 今作は、プレイ前は奥行きのある普通のベルトスクロール型なのかと思っていたら、手前と奥と移動可能な二つのラインを自由に行き来できるタイプで、元が格闘ゲームということもあり、餓狼伝説2餓狼伝説スペシャルを思い出しました。餓狼伝説をやっていたためか、最初は別ラインに移動する際に攻撃しながらの移動ができないことがやや歯痒かったですが、すぐに慣れました。
 
 一応横スクロールのアクションRPGですが、敵を倒すとリアルタイムで経験値が溜まりレベルアップするのではなく、敵を倒した際に落とす赤い宝石を拾い集め、ステージクリア時か途中でゲームオーバーになった際に、拾った分の赤い宝石が経験値に変換され、レベルが上がるという回りくどいシステムです。このため、ステージをクリアした後にいきなりレベルが5や6、下手をすると10以上一気に上昇したりと、ややまとめて雑に処理される感があり、RPGの肝でもあるレベルアップの快感が薄まり勿体ないです。
 
 その代わりと言ってはなんですが、敵を倒すと経験値である赤い宝石と、スコア用の大量のコインを撒き散らし、これを回収する作業がSEも相まって非常に小気味よく癖になります。今作は、操作性が良かったり、宝石・コイン回収が快感として機能していたり、プレイの基本となるようなくり返しくり返し行われる動作が快楽性を帯びる用に作り込まれているため、プレイそのものはボタンを連打して敵を倒し続けるやや単調なものですが、しっかりとゲームとしての心地良さが確保され続け、作りの丁寧さに感心させられます。
 
 その他にも、通常攻撃からの必殺技、さらにEX必殺技に繋がるコンボの爽快感、大量の敵を片方のラインに引き付け、横並びになった敵を範囲攻撃などで一度に殲滅する病み付きになる様な興奮と、徹底した繰り返し行う動作の快楽性を追求している姿勢が好ましかったです。
 
 

見た目とは裏腹に中身は非常にユーザーフレンドリー

 
 レベルアップで取得したスキルポイントをスキル取得やパラメーター強化に分配でき、それを何度でも好きなだけやり直せるというシステムはアートディンクガンダムバトルシリーズ(ガンダムバトルロワイヤルなど)そっくり。
 
 ステージの途中でやられると、そこに至るまでに取得した経験値が加算されレベルが上がり、かつスキルポイントの分配まで行わせて貰えるという親切設計で、これによりステージを断念する場合でも、途中まで取得した経験値はしっかり貰えますし、ボス戦でやられてもあれこれとスキルやパラメータを弄っては再戦できるため、非常に便利です(文句を言えば途中で任意で止める際も拾った分を清算して欲しかった)。
 
 

実は耐久性の高い8bitゲーム風キャラデザ

 
 低価格という条件付きですが、キャラクターが古めかしいドット絵というのは初見時はややしょぼいという印象だったのが、やればやるほど味が生まれ好ましかったです。非常にシンプルなため飽き辛く、ズルズルとやり続けてしまう今作にはぴったり。
 
 ゲーム自体もプレイ開始直後はただボタンを連打しているだけで退屈さすら覚えますが、徐々にスキルが解放され広範囲攻撃が容易に可能となると爽快感が増し、ゲームそのものの印象が上向くのとそっくりです。
 
 

不満あれこれ

 
 全キャラクター取得できるスキルが同じなため、どうしても作業感が拭えません。レベルアップで成長するといっても全員成長する方向性は画一なため、同じ作業をくり返しているだけにしか感じず、もう少し個々のスキルを差別化して欲しかったところ。このため、RPG的な成長の快楽は弱めです。
 
 それと、細かいことですが、2ラインあるうち、手前に巨大な敵がいて奥に自キャラがいた場合、敵に隠れて自キャラの姿がまったく見えなくなるため、やや不便でした。
 
 後、ゲーム内のレベルの上限の引き上げと、5pbのゲームということもあり、同社のシュタインズゲートに登場する紅莉栖(クリス)がプレイキャラとして使用可能になるという二つの要素がセットになっているDLCを見つけ、シュタインズゲート好きということもあり、喜んで購入……したのですが、ちゃんと説明を読まなかったため、てっきりメインのストーリーモードで紅莉栖(クリス)が使用可能になるのだと思い込んでいたら、使用できず、落ち込みました。アーケードモードでは使用できるため、ストーリーには絡みませんがレベル上げは可能ですし、ゲーム内のレベルの上限引き上げがメインでクリスはどちらかというとオマケのような扱いなので、仕方ないかと納得。
 
 
※追記
 
 後にsteam版も購入すると、そっちではストーリーモードでも紅莉栖(クリス)が使用可能なため憂さを晴らせました。
 
 

まとめ

 
 中毒性が強いというワケではなく、単調さを覚えそろそろ止めようかなと思いつつ、操作性が良く動かしていて楽しいため気づいたらついズルズルと何ステージもやってしまうという、テトリスなどと同様の尾を引くタイプの魅力を備えている作品。
 
 プレイする前は特に期待もしていませんでしたが、やり始めると予想外に丁寧な作りで感心させられ、拾い物的に大変素晴らしい作品に出会え嬉しい限りです。
 
 
 

 

 

ファントムブレイカー:バトルグラウンド

ファントムブレイカー:バトルグラウンド

 
Phantom Breaker: Battle Grounds [オンラインコード]

Phantom Breaker: Battle Grounds [オンラインコード]