エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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ドクターズ・ハイ

 

点数:65点
 

あらすじ

 大学の医療センターに赴任したばかりの天才研修医テッド・グレイ。テッドは同じく難解な殺人事件を解剖によって解決した天才的な研修医であるジェイク・ガロ率いるグループが行う、自分たちで死にかけの患者や、犯罪者などを殺害し、その死因をお互いが当て合うという死因当て殺人ゲームに巻き込まれてしまう……。
 
 

冷たい死体そのもののような映画

 
 映画から受ける印象が劇中に出てくるモチーフと似た感触を覚えるという作品は、人形がモチーフで作品もどこか人形めいた体温の無さの押井守監督の“イノセンス”を連想しましたが、この映画も終始出続ける死体のような生命感のなさ。
 
 最初から最後までこの話がどこに向かっているか分からず、倫理観の欠如した人間達の残虐な殺人ゲームが続くだけで、脚本的な起承転結の整合性のようなものが別段ありません。しかし、演出レベルでは場面場面の印象を強化する演出が的確に施され、ぐいぐいと映画を引っ張っていきます。
 
 このような、話に中身はないのに演出がキビキビしている感じがまさに劇中の、目的が分からないのに殺人ゲームをテンポ良くこなしていくエリート研修医の行動とシンクロし、相乗効果を生んでいます。
 
 この映画を見終わって真に怖ろしいと感じたのは、画面に映し出される面白半分に破壊された死体でもなく、無軌道な殺人ゲームに興じるエリートの若者たちでもなく、こんな意味も中身もないドライな映画を論理的にテキパキ作っている作り手達の手腕と神経そのものです。
 
 

まとめ

 
 いい映画を見たというような満足感はありませんが、インディーズ映画的な得体のしれない作品に遭遇してしまったドキドキ感は味わえます。
 

 

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