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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

シェフ/三ツ星フードトラック始めました

70点 映画

 

点数:70点
 

あらすじ

 有名レストランのシェフ料理長)であるカール・キャスパーは今夜店に訪れる料理評論家に独創的な料理を振る舞うため仕込みをしていた。だが、オーナーの命令でいつもの定番メニューを出すことになるも、それが酷評され、怒ったカールは意地になってツイッター上で評論家に反論してしまう。いちいち店の方針に逆らうことに腹を立てたオーナーに店をクビにされ、挙げ句の果てに絶大な影響力を持つ評論家を罵倒した動画がネットに上げられたことで、他のレストランにも雇ってもらえない事態に。だが、心機一転とカールは離婚した妻が親権を持つ、あまり関係が芳しくない息子と共に、シェフとしての初心を思い出すべく、フードトラックキューバサンドを売り歩く旅に出る……。
 
 

問題が端から存在しないという問題を抱えている

 
 映像作品としては奇をてらったことをほとんどせず、抜群の音楽と編集のテンポの良さでサクサク進むため、不満を覚える要素は一つもないのですが、いかんせん今作は解決しなければいけない問題というものが無いに等しく、見終わった後の印象が極めて淡白なものです。
 
 作りたい料理(創作物)を作らせて貰えないという悩みを抱える主人公の話がメインのわりに冒頭から楽しそうに料理を作り、問題が起こっても全てご都合主義的に誰かが解決してくれ、端から深刻にも見えない父子関係が深まって終わるという内容なため、映画を見る前と後でさほど登場人物に対する印象に変化が生じません。
 
 主人公にとって都合のいい人物ばかりを周りに並べ、唯一ハードル的な存在である料理評論家ですら、ラストにキューバサンドを目の前で頬張るという見せ場的展開すらすっ飛ばして呆気なく主人公を認めてしまうため、拍子抜けもいいところ。
 
 まるで、RPGでニューゲームを開始したらいきなりLv.100でカンストしており、途中で一度たりともピンチに陥らず、ラスボスもあっけなく一撃で倒しゲームをクリアしてしまえたような手応えの無さ。これは、美少女アニメなどで言うところのハーレムものにも近い感触。
 
 主人公に対して何一つプレッシャーが存在せず、かつ最初から最後までトーンが陽気一辺倒でメリハリがないため、正直途中で眠くなる箇所が幾つかありました。
 
 ラストに息子が旅の最中に撮影した動画を見せますが、この動画を見ても旅の印象が薄すぎて感慨深さがないというところが今作のロードムービーとしての味気なさを現していると思います。
 これは、前半部に時間を掛けすぎていることも問題。三幕構成でいうと一幕目の店をクビになるまでのパートが異常に長く、二幕目のロードムービー部分が短いため、旅を振り返る際のカタルシスが弱くなるという構成上の問題も大いにあり。さっさと店をクビになって、ロードムービーに移行していたらこの物足りなさも少しは改善されたかもしれません。
 
 

まとめ

 
 ドラマが淡白ゆえそこに期待しているとガッカリ感はあります。内容が薄いのに尺がそこそこ長いのもマイナス。
 
 ただ、陽気で楽しい映画ですし、出てくる料理は無難な撮り方ですがしっかり美味しそうに見えるため一定水準の満足が得られるのは確実。