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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

A.C.E.(アナザー・センチュリーズ・エピソード)

 

OPムービー


点数:55点

 

短評

 フロムソフトウェアの志向性とスパロボ系アクションゲームとの食い合わせの悪さが露呈する残念な作品。
 爽快感をウリにしなければならないはずのジャンルでストレスばかりが溜まる謎仕様。
 
 

フラッシュフォワード

 
 スーパーロボット大集合系というこの手のゲームにしては珍しい、フラッシュフォワード式のストーリーテリングで、ロンドベル隊(ラー・カイラム)が民間人の乗っているシャトルを撃墜し、90万人のスペースノイド(宇宙に暮らす人々)を虐殺したという衝撃的なOPから始まり、なぜそのような凶行に及んだのかという経緯が語られていきます。
 
 正直、ロンドベル隊がそんなことをするはずがないことはどのプレイヤーも分かっているため、予定調和感は否めませんが「これは普通のスパロボ系のよくあるゲーム群とはひと味違うぞ」と見せつけるには十分なインパクトを持っています。
 
 ただ、結局ストーリーはまったくと言っていいほど盛り上がらないので、メインのストーリーのつまらなさを誤魔化すためのこけおどしとも取れます。
 フラッシュフォワードという奇抜な方式を取っている割に、プレイヤーが想像する結末を裏切るようなサスペンスフルな展開もなく、ただ一直線にOPで見せられた場面に収束されていくため、この方式を最大限生かしきれていません。
 もっとプレイヤーの想像を先読みして小刻みに裏切り、動揺させないと、未来に起こることを明示した意味がないです。
 
 例えばロンドベル隊にスペースノイドに対する恨みを抱くような事件を体験させるとか、似たようなもう少し小規模な事件を起こさせるとか「もしかして、こいつらならあの事件をやりかねない」という疑念をプレイヤーに抱かせるような工夫が一つもないため、ただフラッシュフォワードが目的化しただけのどうでもいい時間軸操作にしかなっていません。
 
 ストーリーテリングがいつもド下手くそなフロムらしいと言えばらしい。
 
 

原作感が希薄

 
 ストーリーのつまらなさにも関連しますが、参戦作品の各原作キャラがほとんど空気の扱い。
 多分スパロボのような立ち絵(もしくはキャラの顔のアップ絵)と会話ウィンドウでのストーリー説明やキャラ同士のやり取りは凡庸すぎてやりたくなかったのでしょうが、ロンドベル隊に加わっているキャラ達のバックボーンが一つも描かれないため、原作を知らない人はどのキャラとどの敵に因縁があるのかすらも分からないような作り。
 
 完全に原作知っている前提で話が進むため、原作未見のプレイヤーへの配慮が皆無に等しい。
 原作を知っているorスパロボをやり慣れている人は特に困らないですが、そうでない場合は終始謎な人たちが謎なことをやり続けているとしか映らないであろう不親切さ。
 プラス、原作再現度も薄いため、原作ファンも納得できるとは言えないレベルで、原作未見の者もだめ、原作ファンも物足りないと、全方位的に物足りなさだけが募ります。
 
 

カスタマイズ感が希薄

 
 申し訳程度にカスタマイズ要素がありますが、これが何かの能力を上げると、対になる能力が下がるタイプのもので、スパロボのような一方的に能力が上昇するようなカスタマイズ感に慣れていると、非常に不満(スパロボも昔は装甲を上げると運動性が落ちるなどのシステムでしたが、昨今のものは違うため)。
 
 せっかく稼いだポイントで能力のバランス調整のようなものをさせられるだけなので、カスタマイズしている感じが一つもしません。
 
 

エースパイロット感が希薄

 
 このゲーム最大の問題点とも言えるのが操作性が極悪な点。人をイラつかせたいのかと思うほどのストレスゲーで、まともにプレイヤーの要求通りに動いてくれません。
 
 まずロックオンシステムが中途半端で、ロックオンしている敵に対して補正をしてくれない。
 ちょっとでも自機の角度が明後日の方向を向いていればそちら側に向かって射撃するので、一発限りの強力な攻撃など、しょっちゅう外れてイライラさせられます。
 普通のアクションゲームだと、多少自機が横を向いていようが、ロックオンした敵のいる方角のほうが優先順位が高く、敵側に勝手に向いて攻撃してくれますが、このゲームは自機が向いている方角のほうが優先なのか、常に変な方向に攻撃し続ける始末。
 
 だったら、最初からアーマードコアのように敵を常に正面に捉えないとロックオンが外れるシステムにして欲しい。これだとロックオンはしているのにロックオンしているほうに攻撃してくれないというアホみたいな状況が頻発するだけです。
 ロックオンした上にロックオンした敵がいる方角を向いていないといけないため、目に見えない透明なロックオンがもう一つあるような感じ。
 
 さらにロックオンしても攻撃がまったく当たりません。
 偏差射撃をしてくれないため、ちょっとでも敵が移動するとほとんどの直線的な攻撃が外れ、非常にイライラさせられます。弾速も遅いため、敵にスイスイ回避されストレスに拍車が掛かります。
 その性でこのゲームは異常にホーミング系(自動追尾系)の武器が使いやすく、ほとんどホーミング系の武器だけでクリア可能。
 
 攻撃ボタンも遠距離攻撃と近距離攻撃が同じボタンで、距離によって勝手に切り替わるため、遠距離攻撃がしたいのに敵が接近してくると勝手に近接攻撃を仕掛けるため、鬱陶しい限り。
 遠距離攻撃が強力だが、近接攻撃が弱い機体だと、ザコ敵がわらわら群がってきて乱戦になるステージなどはストレス地獄と化します。
 
 ただでさえ苛つく要素だらけなのに、さらに地上戦では高度、宇宙戦では軸という要素が加わり、イライラ地獄の極致に。
 少しでも角度が異なるとまともに敵に向かって攻撃してくれないため、常に高度合わせや軸合わせをさせられますが、この作業に面白味は皆無。
 
 敵がまったくいない方角にひたすら無駄弾を撃ちまくるロボットを見ていると虚しい気分になってきます。
 旋回性能の高い高性能な人型機動兵器ではなく戦闘機か戦車のように決まった方向や角度にしか攻撃できない射角の異常に狭い欠陥品のよう。
 
 A.C.E.(エース)というタイトルとは裏腹に、エースパイロット感を与えさせないために作られている様なストレスフルなシステムが皮肉めいている。
 
 

その他もろもろガッカリなシステム群

 
 複数のミッションが束になるブロック制になっており、一度撃破されたユニットは同一ブロック内で使用できなくなるというペナルティが課せられます。その性で、強力なユニットやお気に入りのユニットが一度やられると次のブロックまで使用不可能になり、攻略が困難になるorやる気がダウン。
 
 強い機体と弱い機体の差が激しすぎるため、お気に入りの機体が使い辛いです。
 
 

まとめ

 
 コンセプトは悪くないのに操作性の悪さが全てをダメにするガッカリロボットアクションゲーム。
 
 

余談

 
 ミッション中のアイデアはさすがフロムといったものが多いです。
 
・演説中にマスコミのヘリから隠れて敵を迎撃
マスドライバーの攻撃を交わしながら戦う(喰らうと一撃死)
・自爆艦から逃げながら戦う(接触すると一撃死)
 
 などなど、初回プレイは戦闘で死ぬよりギミックで死ぬほうが多いのもフロムっぽい。
 
 フィールドを観察させ、強力な攻撃に対してどう対処すればいいのか、指示を出すのではなくプレイヤーに考えさせようとする点もフロム的でここは好感が持てました。
 

 

 

Another Century's Episode

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