エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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エターナルリング

 

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点数:55点

 

短評

 
 良くも悪くもキングスフィールドの魔法特化版。バトル中に指輪(魔法)をリアルタイムで切り替えながら行うバトルシステムは好みなものの、操作性の悪さが終始足を引っ張り続ける。作品独自の突き抜けた面白味がないキングスフィールド亜種の一人称アクションRPG
 
 

操作性(というかキーコンフィグ) が酷い

 
 PS2になったのにも関わらず、移動や視点操作にアナログスティックが使えず、相変わらず十字キーとLRボタンで操作という酷い仕様。この十字キーで操作するという点はデフォルトでアナログスティックがついていなかった初代PSのキングスフィールドなら我慢できましたが、PS2では許容するにはやや厳しいです。こういうゲームをやるといかにアナログスティックを使った操作が快適なのか逆説的に分かるのは毎度の儲けものでもあります(現行ゲームの快適さに思いを馳せありがたみを再確認出来る)。
 
 

キングスフィール……あ、違うゲームか

 
 まず、あまりにもキングスフィールドまんま。厳密に言うとシャドウタワーの装備依存システムを属性指輪に置き換えているためキングスフィールド(8) + シャドウタワー(2)くらいの折衷な印象。キングスフィールドをやったことがあれば斬新さはほとんどゼロと言っても過言ではないほど基本的なシステムや操作、印象が瓜二つ。
 
 大きな違いと言えば、まず通常攻撃が中盤からはほとんど空気と言っていいほどの存在感で、ほぼ魔法中心でゲームを進めることになることと、魔法を使えるようになる指輪を、合成で作る新システム程度。
 
 敵を倒すと属性や魔力値が設定されている魔法石(通貨的な役割も果たす。デモンズソウルやダークソウルで言うソウルに近い)が手に入り、それを用いて指輪(魔法)を合成します。この時に素材とする魔法石の属性や魔力値によって出来る指輪が変わるシステムで、バリエーションは100種類とそこそこな量。
 
 ただ、この指輪合成というシステム自体がフロムのゲームの方向性と噛み合わない気が……。
 
 

アイテム合成システムとフロム的なゲームとの喰い合わせの悪さ

 
 アイテム合成の面白さとはつまるところスターオーシャンシリーズのように賢く合成すればやや反則気味なバランスブレイカーアイテムが作れ、ズルできる点にあると思います。ゆえに強力なアイテムが作れないのであればそれはアイテム合成の面白味を引き出せないということで、システムの存在自体に意味がなくなります。ショップで売買するなどの通常の入手方法よりも合成システムのほうが面倒で複雑な分、得られるゲーム的な報酬は高くなくてはなりません。
 
 ですが、フロムのゲームの面白さは死にゲーとしての堅実なレベルデザインやバランス調整にこそあるため、ゲーム進行が極端に楽になるアイテムが作れるようなシステムがあったらそもそもの魅力を損なうことに……でも強力なアイテムが作れないのであれば合成システムに意味はなく、そこらのショップで取引すればいいだけ。
 
 苦労して作ったアイテムがゲームを進めるのにさほど有利に働かないのであればご褒美不足で不満だし、かといって有利になってしまうとフロム的な面白さが目減りする……と、堂々巡りになってしまいます。ゲームをプレイしながら『とんでもない指輪が合成で手に入るのではないか』という期待と『でもそんなものが作れたらゲームバランスが崩壊するから嫌だ』という相反する感情に駆られ続けることに。こんなアイテム合成には不要な悩みに煩わされるのは勘弁して欲しいです。
 
 

指輪(魔法)=銃火器

 
 戦闘中、指輪(魔法)の切り替えをボタン一つでリアルタイムにできる点が非常に好みで、最大5つ装備した指輪(魔法)をコロコロと変えながら状況に応じて使い分けていくのが楽しいです。
 
 指輪(魔法)の威力や効果に応じてMP消費量の他にキングスフィールドやシャドウタワー、エヴァーグレイス、デモンズソウル・ダークソウルなどフロム作品ではお馴染みのスタミナに相当するマジックゲージがあります。強力な魔法ほどチャージに時間が掛かる仕様で、さながらシューティングゲームのリロードの感覚(ビームやレーザーのチャージショットでも可)。ハンドガンは一瞬でリロードが終わり、ロケットランチャーは弾を込めるのに手間取るイメージ。このため、強力な魔法を使う際はチャージに時間が掛かり、外すと次のチャージまで隙が生じるため緊張感が心地いいです。
 
 文句があるとすれば指輪(魔法)切り替えを進むと戻るの二つのボタンを用意して欲しかった程度。この切り替え動作は回復魔法を使う際などに頻繁に行うので、メインで使っている指輪(魔法)までムダなボタン入力をその都度させられストレスが溜まります。最近のシューター系のゲームのように十字キーを押したら対応する指輪に即交換されるなどのシステムだったらより便利だったはず(このゲーム自体がシューティングゲームよろしく魔法を撃ちまくるシステムのため、この指輪交換の快適さはシューティングゲームにおける銃器交換と同じくらい重要)。
 
 

使いたくても魔法が使えない

 
 MPは基本的に敵を倒したら回復するシステムなのに、その敵がこちらの魔法の消費量を上回る耐久力なため、近接攻撃を交ぜて戦ってもMPが戦う度に減っていきます(近接攻撃のため接近してダメージを受けたら魔法で回復させるため)。MPが自然回復せず、アイテムを使用しての回復も容易にできないため、魔法をメインに使うゲームなのにMP消費が怖くて魔法が使えないという本末転倒なことになっているのがかなりのマイナス要素。
 
 前述した魔法=銃火器という考え方なら、弾が極端に手に入り辛いシューター系のゲームの印象。ただ、終盤になるとほぼ一撃でザコ敵を撃破可能な強力な指輪(魔法)が合成できるようになるためMP消費量を上回るMP入手量となり、魔法使用に対する慎重さからはとりあえずは解放されます。
 
 

まとめ

 
 いいところがないとは言いませんが、結果的にマイナス面が大きく足を引っ張り、楽しかった印象がさほど残りませんでした。いくら小手先のシステムを弄っても、操作性が悪いアクションゲームが名作たり得るはずがないことの証明のような一本。
 
 移動速度が極端に遅く、途中である指輪を入手するとダッシュ可能になりますが、そのダッシュの速度すらかったるく、この程度の速度ならデフォルトでダッシュできてもいいのにと毒づきたくなりました。
 
 

余談

 
 シナリオはほとんど皆無に等しいですが、ラストにフロムらしいと言えばフロムらしい、フロムらしくないと言えばフロムらしくない、ある心を欠落させた存在が人の心を理解し、前向きに終わるという、正直フロムのゲームには一切求めていなかったポジティブな展開があり、非常に驚かされました。
 
 シナリオのラストに一発プレイヤーに不意打ちを喰らわせる様なオマケ展開を入れるのはフロムらしいですが、それが前向きな感じのものであるという点は珍しく、このような不意打ちならいつでも大歓迎です。
 

 

ETERNAL RING

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