エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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バタフライエフェクト2

 

トレーラー


点数:55点

 

あらすじ

 
 写真家の恋人や仲間とともに湖へと休暇に訪れていたニックだったが、急な会社からの仕事の呼び出しで戻る途中、交通事故を起こし、自分だけを残し、他の全員が死亡するという大惨事となった。愛する恋人を失ったショックから立ち直れないまま1年が経過。すると、子どもの頃にも経験したことがある、写真の中に写る人物が動き出すという不可解な症状が再発しだす。ある時、恋人たちと一緒に湖で撮影した写真を眺めていた次の瞬間、ニックは1年前の事故の直前の湖にいた……。
 
 

写真というセーブポイントまで戻れる能力をうまく描けていない

 
 主人公の能力が写真に関連しているのならもっと写真やカメラというアイテムを序盤から効果的に描いておかないと、写真というアイテムの存在感の増し方にやや唐突な印象を受けます。
 
 写真家のヒロインと付きあいだしたキッカケもヒロインの写真家としての腕が自分の写真を見ると写真が動いている様に見えてしまうという症状と関係していたという設定にしたほうが、短い尺の中で効率的に二人の特別性説明と、写真というアイテムの存在感強化ができたはず。
 
 

脚本がお粗末すぎる

 
 この話の目的は、死んでしまった大切な恋人(もしくは仲間)を助け出すということのはずなのに、その動機付けが非常に弱いです。
 
 まず序盤に主人公のバックボーンを掘り下げないまま話を始めてしまったために、見ている側は、主人公のニック視点の話なのか、ヒロインのジュリー視点の話なのか混乱する作りになっている点がマイナス。
 恋人への思いが時間を巻き戻してしまうという非現実的な現象に対し、見ている側を問答無用で共感させるにはこの程度の浅い関係性描写では足りません。
 
 次に、割と序盤であっさりヒロインを助けられ、事なきを得てしまうことで話が失速してしまう点。さらにあまつさえ今度は自分をクビにした上司に仕返しをするというヒロインの命と一切の関係ない理由で時間を巻き戻し、ヒロイン以外の女と浮気し出す。見ている側は主人公の行動に呆れ、もはや恋人への愛を疑い、話に興味すら失ってしまいます。
 
 この映画はひとえに切実さが足りません。主人公が切実に悩み、その切実さゆえに非現実的なことが起こり、その結果、より悲惨な出来事に見舞われてしまうというエスカレーション感がなく、ただ積み上がりもしない関係のない話が並列に挿入され、話の流れがぎくしゃくしていくだけです。
 結果最初の段階ではそこそこあったはずの恋人を救いたいという動機が強化されるどころか完全に消失し、何のために時間を遡っていたのかという疑問だけが残ります。
 
 

まとめ

 
 映像演出も下手というほどのレベルではないですが、お世辞にも絵の力だけで全編持たせられるほどの魅力はなく、脚本のつまらなさと相まって見ているのが若干苦痛な作品でした。