エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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スターウォーズ/フォースの覚醒

 

トレーラー


点数:75点

 

あらすじ

 
 銀河帝国が崩壊して30年。帝国の残党ファーストオーダーを名乗り、組織の脅威となる最後のジェダイの騎士であるルーク・スカイウォーカーを捜索していた。同じくルークを捜索していたレジスタンスは惑星ジャクーでルークを見つける手掛かりを発見。ジャクーでごみ漁りをして生計を立てていたレイは、ルークの居場所を印した座標データを奪い合うファーストオーダーとレジスタンスの争いに巻き込まれていく……。
 
 

旧三部作ファンというお得意様向け詰め合わせ商品

 
 単体のアクション映画として見た場合、スピーディなアクションシークエンスに、冒険はしていないが隙がない丁寧な美術周りの作り込み、テンポ良くキャラクターの信頼関係が構築されていくプロセスを見せる鮮やかな脚本の手並みなど、平均クオリティを楽勝で超える満足度を叩き出せています。
 
 ただ、その出来の良さを旧三部作ファンを喜ばせるという至上命題がところどころ邪魔する始末。旧三部作ファン以外に興味が無いキャラクター描写や台詞が挟まれ、ノスタルジーを喚起する本編とはあまり関係のない情報や古臭いだけのデザインが挟まれ、アンチCGが目的化したかのようなオープンセット至上主義的思想が垣間見られと、正直面白さを追求しようとした場合障害にしかならないような要素も多々あり、旧三部作に強い思い入れがない者を少なからず辟易させます。
 この旧三部作ファンへのサービス部分がほとんど作品への不満点と一致するため、単純に面白い映画を見たいというだけの人間には忍耐を要求されます。
「ここは旧三部作ファンが喜ぶところなんだ」と丸わかりのサービスシーンを延々見せられ続け、その内輪向け感を隠そうともしない態度に苦痛のため息すら漏れました。
 
 元々素で魅力的な美しいボディを持っているのに、ありとあらゆる旧三部作ファンが喜ぶコスプレをさせられて地の良さが若干陰ってしまった、そんな印象。
 
 

超豪華なアメリカドラマ

 
 この作品は話がまったく先に進みません。登場人物の関係は深まっていくのに、ドラマが先に進まず、ひたすら同じ位置で停滞し続け、停滞したまま終わります。なぜルークが隠居しているのか、など、映画の冒頭で解決を望ませるように見ている側に提示し、一番知りたがらせた挙げ句次作へ持ち越すという悪い意味でクリフハンガーで引っ張ることが目的化しているアメリカドラマ的な構成。そのような手法を得意とし、名を上げたJ・J・エイブラムス監督だからと言えばそれまでですが、新シリーズの最初のエピソードがこのような謎を解決しないまま次作へ持ち越すタイプの作りなことで、これ以降の展開に不安しかありません。
 
 スターウォーズのストーリー展開や謎解きに興奮するのは熱心なファンくらいで、シリーズにそれほど興味のない人間としてはどうでもいい謎が解決されず持ち越されて苛々するだけです。
 
 

まとめ

 
 単体のSFアクション映画として見れば非常に良くできた良作。ただ熱心なスターウォーズファンでないと居心地の悪さを終始覚え続ける点は到底好きにはなれません。
 
 旧三部作絶対主義に呪われた作品。