エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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エヴァーグレイス

 

TVCM


点数:55点

 

短評

 

 シャドウタワーの流れを汲む、レベルという概念の存在しない装備依存アクションゲームというコンセプトはいい。ただ、もろもろのシステムの作り込みが足りないため、面白いと言えるレベルには達していない。コーディネイトRPGというが、装備のデザインに魅力が乏しく外見が変わろうが正直どうでもいい。

 

不思議な場所を舞台にした退屈で気怠い冒険

 
 異次元に隔離された消滅帝国リューベーンという設定的にも物語的にも幾らでも面白くできそうな舞台なのに、秀でた世界観演出がなくガッカリさせられます。重みもなく高級感もなく、エコーナイトなどでお馴染みのフロムお得意のホラー的なスパイスも無く、ただ淡々とした無機質な世界があるだけで眠気を誘いたいのかと勘ぐりたくなります。
 
 

退屈なコーディネイトと装備依存システムによる脱RPG

 
 着せ替え(コーディネイト)を売りにしたいらしいですが、どれもこれも装備のデザインがぱっとせず、外見が変わるという点に面白味の欠片もありません。最近のゲームは当たり前に装備交換でグラが変わるということもあり、もはや耐用年数切れのアピールポイントに成り下がってしまっています(発売当時としても満足出来るレベルではなかったでしょうが)。
 
 個人的に好みだったのが装備依存のシステム。フロムはRPGの代名詞でもある成長要素(経験値+レベル制)に付随するレベル上げのための単純作業プレイ、及び誰でもレベルを上げればごり押しで先に進めてしまえるトライ&エラーの希薄化を回避するためか、戦闘力を装備交換によってコントロールするタイプの路線のゲームを好む傾向があります(シャドウタワーなど)。
 
 エヴァーグレイスもシャドウタワー系統の考え方で作られていますが、いかんせん難易度が優しすぎる上にそれほど装備交換が効果的に機能していません。もっと装備交換しないとザコ敵ですら苦戦するレベルでないと意味がないのに、敵の弱点属性を突かずとも割と適当に倒せてしまえるため装備交換に必要性を感じさせません(ただ、この点は続編のエヴァーグレイス2で強化されている)。
 
 

酷いカメラ操作が終始ストレスの元に

 
 このゲームは何を考えているのかボタンを単純に押しただけでは正面にカメラが向いてくれません(贅沢を言えば右スティックにカメラ操作を割り当てて欲しいが、そこは時代を鑑みて割愛)。微妙に長押しして初めてカメラがキャラの後ろに回り込み正面を向くのですが、このことがあらゆる局面でマイナスに働きます。敵と戦っている最中に正面にカメラを向けようとするとけっこうな確率でミスり、あさっての方向を向く。ただでさえカメラが近すぎて敵が視認し辛い上にカメラ操作まで癖があるため終始イライラさせられっぱなしです。
 
 正直まともにアクションゲームをやれるレベルのカメラ操作ではないです。このことだけでもこのゲームを褒める気にはなりません。
 
 

まとめ

 
 システム的には好みな点もありますが、カメラ操作が全てを台無しにする残念な作品。
 シナリオもシステムもともに低水準で何一つ満足な域に達しておらず、全てが中途半端な印象。
 
 

余談

 
 メインのシナリオは退屈そのものですが、微妙に男主人公と女主人公の時間軸がずれている設定が面白い(最近だとバイオハザード リベレーションズ2など)。
 
 話自体はつまらないのに、終盤までお互いが同じダンジョンを微妙にすれ違い続ける展開は未来で起こることへ期待を持たせるには十分なクリフハンガー力を持ちます。
 ……ただ、それが合流したからといってカタルシスにも何にも繋がらないのがフロムクオリティなストーリーテリング力。ここまでドラマチックに持って行けそうな展開であそこまでどうでもいい終わらせ方ができるのは、何か物語的な盛り上がりを憎悪でもしているのかと勘ぐりたくなるレベルです。
 
 
 続編


 

 

EVERGRACE(エヴァーグレイス)

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