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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

メダル オブ オナー/ウォーファイター(Origin版)

 

トレーラー

 

点数:75点
 
 

メモ

 
フルHD(1920×1080)、映像設定は中、60fpsでプレイ
・オフ専のためキャンペーンモードだけプレイ
 
 

短評

 
 前作のメダルオブオナー(2010)とは同じシリーズと思えないほどの進化を遂げ、堂々とした風格に。やや単調さが弱点ではあるものの、キャンペーンモードの出来は平均的なFPSシューターの中でも高めな部類。
 
 
 

BF+CoD=中度いいバランス

 
 バトルフィールド3と同じゲームエンジンのフロストバイト2で作られているため、ほとんどバトルフィールドシリーズとそっくりですが、ミッションの雰囲気はコールオブデューティにやや近く、丁度これらのシリーズを足して二で割ったようなバランスの良さです。コールオブデューティのモダンウォーフェアやブラックオプス的な特殊部隊感とバトルフィールドのリアリティのある銃器描写が合わさり、シューター系のゲームではどちらかと言うと軍隊感というよりも特殊部隊感を味わいたい自分としてはかなりどんぴしゃに近い内容でした。
 
 前作のメダルオブオナー(2010)はXbox360版をやり、今作をPCでプレイしたからということもあるのでしょうが、操作性が桁違いに向上したことで、ほとんど別のゲームをやっているかの様な劇的な進化っぷりに驚かされます。どうしてもグラフィックや挙動のリアルさで言うとバトルフィールドには及びませんが、バトルフィールドのキャンペーンモードはいつもどこか突き放したような無機質な印象なのに対して、コチラはコールオブデューティのようなプレイヤーに対するサービス精神大盛りな作りで、自分的にはプレイしている最中の没入度でいうとバトルフィールドシリーズよりもコチラが断然上でした。
 
 敵をヘッドショットで倒すと画面にヘッドショットで倒した旨を知らせるアイコンが表示されたり、便利で気持ちいいスライディングが使えたりという前作の長所だった部分は引き継がれ、前作では酷かったリーン動作などはしっかり改良され遥かに使いやすくなっていたりと、操作周りの快適性はもはや前作とは別次元となり、動かしているだけで快感です。
 
 

舞台がオーソドックスな転戦型に

 
 前作は最初から最後までアフガニスタンだけの話で、舞台が固定だったのに対し、今作はよくあるミッションごとに世界中を飛び回り舞台が移っていくタイプに。前作をプレイした際はずっとアフガニスタンでのミッションが続くため、途中から飽きが来て、不満が多かったのですが、これが不思議なもので、今度は世界中を飛び回ると前作の舞台が固定されていたほうが話し運びが落ち着ついていて良かったなと感じてしまいます。
 
 前作のキャンペーンモードはお世辞にも出来が良くありませんでしたが、舞台を一カ所に固定してその場所を徹底的に掘り下げていくというスタンスは継承して欲しかったです。スペックオプス:ザ・ライン的に後戻りできないほどにその土地や事件の暗部に踏みいり、最初と最後で舞台に対する印象が決定的に変わるなどの方向性にしたほうが、もっとコールオブデューティバトルフィールドなど、非常に印象が似通ったシリーズと明確な差別化が図れたはず。結局実際に起こった事件を元にしたという断片的なエピソードが並列されて語られるだけで、ただのスケール感やけれん味の薄いコールオブデューティのようになってしまった感もあり、前作のアフガニスタンが懐かしく思えるほど。
 
 

不満あれこれ

 
 前作で非常に好みだった武器交換ボタンを素早く二回連続して押すとメインの二つの武器とは独立したサイドアーム(ハンドガン)に瞬時に切り替わるというシステムがなくなり、ハンドガンもメイン装備の一つとして組み込まれてしまいガッカリさせられました。このためアサルトライフルサブマシンガンをリロードするよりもハンドガンに切り替える方が速いというFPSではありがちなのにうまく機能しているのをほぼ見たことがないシステムをうまく機能させていた前作の良さが無くなってしまっています。それに、なぜか落ちている武器を拾い他の装備に変えようとすると勝手に拾った武器を捨ててしまうという謎の仕様に変更されたせいで、プレイヤーが持ち運ぶ武器を決めることができず常にメイン武装を使い続ける羽目になり、もはや落ちている武器を拾えるというシステムに意味すらなくなっているのも残念。
 
 チェックポイントの間隔が長めなのもやや気になり「あそこくらいから再スタートかな」と思っていると、その地点の遙か手前からやり直しさせられ、しかも一つ一つのシークエンスが長めなことも相まって、ようやく長い時間掛けて敵を全滅させたのにちょっと進んだところでうっかり死んでしまい、また長い長い銃撃戦を一から繰り返させられるという事態が頻発するのは若干ストレスが溜まります。
 
 後、不満というかこのシリーズ特有の癖というか、非常にアメリカ軍のプロパガンダ色が強く、コールオブデューティのようにアメリカ軍と殺し合ったりするもの(モダンウォーフェア2)、アメリカを批評的に描くアプローチなもの(ブラックオプス2など)に比べるとイデオロギー的に単純に見えてしまい、その性でシリアスな感じのドラマがやりたいのでしょうが、やや深みや厚みにかけて見えてしまうという問題も生じています(コールオブデューティで言うとゴーストのような単純さ)。
 
 

まとめ

 
 距離をとって睨み合いながら銃撃戦をするというシチュエーションがやたら多く、単調さを感じる部分も少なくなかったですが、前作から大幅に改良された操作性の良さがマイナス分を補い、結果的には非常に満足度の高いキャンペーンモードでした。
 
 

 

メダルオブオナー ウォーファイター

メダルオブオナー ウォーファイター

 

 

 

ホットラインマイアミ(PS3版)

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トレーラー

 

点数:90点

 
 

短評

 
 斬新さに加え、欠点らしい欠点が一つも見あたらないという堅実さも兼ね備えた死にゲーアクションシューティング。良いストレスを厳選し、悪いストレスを排除することに成功した大傑作中の大傑作。
 
 

目に、耳に、記憶に、べっとりと血の様にこびりつく鮮烈なゲーム体験

 
 国産ゲームが無理に面白くしようとして要素を重ね、足し算的になりがちな傾向にあるのに反して、面白さを追及するよりもつまらなさを回避し引き算的になるという海外のゲームで多く見られる傾向のお手本の様なゲームデザインで、その完成度の高さに度肝を抜かれました。
 
 シンプルなルール、徹底してプレイヤーに与える情報を抑制し想像力をかき立てるシュールレアリスティック的でもあるストーリーテリングやビジュアルが高次元で融合し、見た目はスーファミレベルのグラフィックなのにも関わらず、それで表現的に到達可能と思われる領域を遙かに飛び越え、訴えてくる力があります。
 
 ゲームから漂う不穏さがよからぬことが起こりそうな未来を示唆し、そのただならぬ気配を察知してプレーヤーは常に緊張を強いられ、その緊張感をゲームへの没入度へ転化させることで死にゲーをやる際に必須な集中力や観察力を研ぎ澄まさせる役割も担わせるという、設定や雰囲気作りをゲーム性と乖離させない隙の無さも見事。どのマップも常にゲームフィールドであると同時に物語の舞台でもあり続け、つまらないと感じる瞬間が一秒たりともありませんでした。
 
 

ゲームにおける運や不規則性の大切さが分かる

 
 自分は運などのランダム要素よりも堅実なレベルデザインやバランス調整のほうがゲームを面白くするのに遥かに大事だと思っていましたが、今作をやるとその考えが浅はかだったと反省させられます。
 
 ある程度攻略パターンが固まり同じようにプレイしていると思っても毎回微妙に変化するシチュエーションによりコチラの予測を裏切る反応のせいでやられたり、逆に難しいと思っていたステージがあっさりとタイミングが噛み合ってクリアできてしまったりと、良い意味でプレイにムラが生じ、マンネリ感を遠ざけることに成功しています。これが死にゲーというアプローチと非常に相性が抜群で、死んでからプレイ再開までのロードの速さと相まって、他のゲームでは味わったことのない様なテンポの良い、しかし飽きにくいトライ&エラーサイクルを生み、中毒性に磨きをかける結果に。
 
 

まとめ

 
 間違いなくゲーム史に残るであろう怪物。出会えて本当に良かったと思える貴重で幸福なゲーム体験でした。
 
 
 
 

シーフ(2014) (Xbox360版)

 

トレーラー

 

点数:65点
 
 

短評

 あらゆる要素にもう一押しが足りない凡庸ステルスゲーム。基本は抑えているが、それ以上のものが一つもなく、悪くはないが良くもないという微妙なバランスの作品。
 
 

独自性が貧弱

 
 アサシンクリードの化け物じみたパルクールの快楽性、デウスエクスレベルデザインと呼応して威力を発揮する完成度の高い成長システム、メタルギアソリッドのゲーム体験に高級感と味わい深い余韻を与える物語性など、今作はそのゲームをそのゲームたらしめる魅力の核になる様な部分が薄く弱く、どうしても相対的に他のステルスゲームに比べると魅力が乏しくアピール不足感が拭えません。
 
 物を盗む際の小気味いい演出やSE使い、闇に乗じるために灯りを消す瞬間など、プレイしていて楽しいと感じる瞬間はいくつもありました。特に、闇に乗じるために灯りを消すという感覚はプレイしていると暗さというアドバンテージがいかに重要かが自然と分かるため、明るいと不安で落ち着かなくなってくるほど魅力的です。自分が今どれくらい目立っているのかをざっくりした色(目立っていると白、隠れていると黒、など)で伝えるだけでなく、もっとメタルギアソリッド3の迷彩服や、4のオクトカム(段ボールも可)のようにプレイヤー側にカモフラージュの仕方の自由が与えられれば、敵から丸見えなのに接近されない限りは発見されないという心地よい緊張感を味わえるシステムにより磨きがかかったはず。
 
 ですが、現状はシステムがどれも一過性の楽しさで止まってしまい、それがインセンティブ(報酬・刺激)として充分かと言われれば微妙で、ただ盗む物がそこにあるから盗む、ただ消せる灯りがそこにあるから消すという、ただその場で出来ることを受動的にこなしているだけで、ゲーム体験としては能動性が足りず、非常に薄いです。
 
 物を盗みお金を貯めてアイテムを購入するなどのバイオハザード4・5・6や、デッドスペースの周回プレイスタイルにも似たやり込み要素もありますが、これらのタイトルの様にやり込みたいと思わせるほどにはシステムに魅力がありません。
 
 後、主人公は盗賊で物を盗むということが目的のはずなのに、なぜかさせられることといえばアサシンクリード的なマップ上は確認できるのに容易には辿り付けない場所への侵入ルート探しだったり、トゥームレイダーアンチャーテッドのようなギミックを用いた遺跡の謎解きだったりと、盗賊というメインコンセプトからはやや逸脱したような内容のものが多く、ゲームデザインがややぼやけてしまっている印象すら受けます。
 
 

舞台となる街(シティ)の演出が物足りない

 
 アクションゲームとしてそれほど操作性がいいわけでもなく、システム的にもパッとせず、ストーリーも退屈なため、せめて雰囲気ゲーとしての魅力を最低限は確保して欲しいところですが、街に思い入れが生まれるような作りでないため、それも叶わず。全体的にロンドンチック?な雰囲気はそこそこうまく醸しているのに、いかんせんこの街に愛着を持つまでには至りません。街に対して思い入れを持たせるような試みが物語的にもシステム的にも充分になされないため、ただ次のチャプターが開始するエリアに辿り着くまでの通り道か、たまに買い物に訪れる場所程度の存在感しかなく、せっかく雰囲気は出せているのにそれが「この街についてもっと知りたい」という欲求としては機能してくれません。
 街に対して思い入れを持つというプロセスをプレイヤーに丸投げしてしまっているのが裏目に出ており、もう少し丁寧にこの街の政治情勢や、イデオロギーの対立構造などの世界観設定を自然と掘り下げていく様なストーリーテリングを心掛けてくれないと、システム的にいまいちなことも相まって、この街、延いてはこの作品そのものへ興味が湧かず、プレイ開始直後の街への印象とクリアした後の印象、延いては作品への印象・評価が変化するほどの思い入れも生まれません。
 
 オープンワールドに見せかけて細かくエリアが区切られているという構造上のややこしさも街に対しての印象を下げる原因で、このせいでただでさえ迷路のような構造の街なのに、さらにエリアごとの繋がりが飲み込み辛く、複雑さに拍車を掛けてしまっています。民家の窓を開けたらいきなりエリア移動してしまったり、ぱっと見そこに入るとエリア移動するということが一切分からない箇所があるのも不親切でストレスが溜まります。
 
 

まとめ

 
 決して悪いゲームではないですが、常にプレイ中何かが足りず、しっくりこないそわそわするような据わりの悪さを感じ続ける困った感触の作品。
 
 やればやるほどアサシンクリードメタルギアソリッドデウスエクスやクライシスがステルスゲームとして別格級の完成度なのかが逆説的に分かってくるため、いかにステルスゲームを魅力的に際立たせるためには核となるパンチの効いたシステム(アイデア)が重要になるのか考えさせられ、それはそれで有意義でした。
 
 

 

シーフ

シーフ

 

 

 

ソードアートオンラインII(アニメ)

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トレーラー

 

点数:75点

 
 
※原作未読
 
 

あらすじ

 
  ゲーム内通貨をリアルマネーに変換できるため、日本で唯一プロのプレーヤーが存在するVR(バーチャルリアリティ)MMOゲームであるGGO(ガン・ゲイル・オンライン)
 GGO内でデスガンを名乗る謎のプレーヤーが銃弾を放ったのとほぼ同時刻、撃たれた側のプレーヤーが現実死亡するという不可解な事件が発生。総務省仮想課の菊岡誠二郎から依頼を受け、キリトはデスガンがゲーム内で人を撃つだけで本当に現実の人間を死に至らしめることが可能なのか調査するため、GGOに潜入することに……。
 
 

ハーレム要素の反省と克服

 
 見る前の一番の懸念材料だった、前シリーズの度を越した不快なハーレム要素は鳴りを潜めており、とりあえずそこは一安心でした。前シリーズのヒロインだったアスナと恋人関係になっているため、二人のいちゃラブが増えてはいるものの、不快さまではいかない程度には抑制されており、作り手の反省が窺えます。
 
 それどころか、今作の前半部のヒロインであるシノンに至っては、最終的に主人公に好感を持つという下手をすれば前シリーズのハーレム展開の二の舞にもなりかねない立ち位置ながら、しっかり主人公のキリトと同じ様な悩みを共有させ、それをお互いが吐露し合い徐々に二人の間の溝が埋まっていくプロセスを描くため、これまでの女性キャラの中でも最も地に足着いた普通のキャラに見えるなど、明らかにアンチハーレムを意識しており、前シリーズとは比べものにならないほど見やすかったです。
 
 二人が共有する悩みがいくら何でも現実離れし過ぎでまったく感情移入できなかったり、相変わらず意味もなくエロいカットを挟む等の手癖の悪さなど問題も多々ありますが、それでもゲーム内設定の映像への置き換えが興味深く見ていてワクワクさせられたり、サスペンス要素やや強めの見やすいストーリー、それらを支える作画のハイクオリティぶりは前作譲り。
 
 

間延びしているのに掘り下げ不足という残念な構成のバランス

 
 設定は惹かれる要素が多数あり、サスペンスも程よく効いているため、TVアニメとしては大変見やすいのですが、いかんせん今作は構成部分に非常に多くの問題を抱えており、本来ならそれほど長く引っ張る様な内容ではないものをひたすら長い会話で引き延ばしているかと思ったら、今度は絶対に掘り下げないといけない説明や描写を省いたりと、ストーリーテリングのちぐはぐさが目立ちます。結果的に、印象としては速く先に進んで欲しいところはひたすら停滞しテンポが悪く、しっかり描写して欲しいところは満足に納得させてくれず説明不足という、痒いところに手が届かない惜しいバランスに。
 
 特に、すでにコチラ側が知っている情報を複数回事情に疎いキャラに説明するという、説明の重複箇所が多く、もっと説明は一箇所にまとめてパパッと済ませて欲しいところ。
 
 さらに、前半と後半でまったく別の話が始まってしまうため、前半積み上げてきたものが途中で一度リセットされるというあまりにもずさんな構成で、いくらなんでも前半と後半が原作では違うエピソードを無理矢理繋げた話だとはいえ、アニメ用に後半部の伏線になるような要素を前半にさり気なく散りばめておく工夫程度は出来たはず(命に関わる問題という点だけ共通していますが)。前半はサスペンス要素が強く、クリフハンガーで引っ張っていくタイプの見やすい作りなのに、中盤以降は軽いミステリー的な作り方で、原作を読んでいないと一体この話がどこに向かうのか進行方向が掴めず、前半に比べると非常に退屈でした。
 オチが分かると遡ってこれまで退屈だった箇所の評価が上がる作りですが、いくらなんでもオチの衝撃的な内容にやや頼り過ぎており、そこまでいくのに何かオチの展開を強化する様な精神的な土台作りをするわけでもなく、ただどこに向かっているのか分からない話に延々付きあわされ我慢を強いられるという作りは苦痛でした。
 
 ただ、前半はサスペンス強めで楽しいのに、後半に行くにつれ失速していくというシナリオ的な曲線は前シリーズと一緒ですが、ラストに待ち受けている重くシリアスな展開は前シリーズに感じた命を扱っているわりに軽かった印象を払拭し、ソードアートオンラインというシリーズの捉え方を良い意味で変化させてくれました。
 
 

見た目は派手だが中身が空回り気味なアクション作画

 
 全体的に作画レベルは安定しており、特に不満はなかったのですが、作画的に力が入る箇所がところどころ物語的な盛り上がりと一致しておらず、メインの話と関係ない戦闘シーンで突然キャラが動きまくったりと、もはや作り手のとりあえず一定間隔で見栄えのいいアクションシーンを挟んでおけばいいという、投げやりなやっつけ感すら漂ってくるような雑さ。
 
 前シリーズと違い、ゲーム内で死ぬと現実でも死んでしまうという緊張感がデスガン関連の戦闘以外では存在しないため、どうしてもただオンラインゲーム上で対人戦やモンスターと戦うシーンを凄い作画で見せられても、作画の力の入り様ほどには前のめりの姿勢で力んでしまうこともありません。
 
 全体的にドラマシーンよりもアクションシーンに作画が偏重しすぎなきらいがあり、そのせいで大して深まらないドラマの中でアクションシーンだけ異常に動きまくるというアンバランスさが生じてしまい、せっかく魅力的なアクションシーンを描いてもそれが効率よく緊張や興奮、楽しさに変換されず、大部分の作画エネルギーがロスしてしまっており、やるせない気持ちになります。
 
 ただ、ユウキ関連のアクション(特にOPアニメーション)は、オチが分かるとあれだけ誰よりも軽やかに動けていたことに違う意味が帯びるため、アクション作画が良くできていればいるほど逆に切なさが増すという、アクション作画レベルの高さを利用した演出にもなっており、ここは感心させられました。
 
 

まとめ

 
 細かい不満が無数にあり、とても手放しでは褒められませんが、やはり前シリーズ同様、自然に飛び交う耳に心地よいゲーム用語や、ゲーム内設定をアニメ(映像)にトレースする際のアプローチの細やかさなど、ゲーム好きには魅力的な要素がふんだんに盛り込まれており、楽しませて貰いました。
 
 そして、なによりも作り手側がきちんと脱ハーレム意識で作っているため、嬉しいというよりも、ようやくまともな作りになってほっとしたというのが素直な感想です。
 
 

劇場版 遊☆戯☆王/超融合! 時空を越えた絆

 

トレーラー


点数:60点
 
 

アニメーションとしての完成度を墓地に捨て、話の整合性をゲームから除外し、異常な強さの敵カード群とデスティニードロー連発を融合し、手札からサスペンスを召喚

 
 いちアニメーション作品としてはとても褒められた出来ではないですが、劇場版としては一つ前の光のピラミッドを見た際も感じた、デュエルモンスターズというカードゲームのルール設定とサスペンスジャンルとの相性の良さを再確認できました。
 
 デュエルモンスターズのいきなり1ターン目から攻撃力3000やら4000級のモンスターすら召喚できる展開の速さや、魔法カードや罠(トラップ)カード一発でフィールド場の強力なモンスターが全滅したり、逆に全滅したモンスターが全員復活したりという一発逆転が容易なバランス設定のおかげで、1ターンごとに劇的な展開が起こり、それがクリフハンガーとしては強力で、サスペンスというジャンル映画的なことすら可能としている点が面白いです。これは強力なモンスターを召喚するのにある程度リソースを溜めるなど、ターンを要する様なルール設定のカードゲームでは出来ないことで、この一点において、サスペンス好きな自分としては楽しめました。
 
 原作の少年漫画が週刊連載で話を引っ張らなければならないため、衝撃的な展開を次週へのクリフハンガーとするという要請によってカードゲーム自体が逆転が簡単に起こり得るバランスとなり、それが映像作品になると今度はサスペンスとしても機能するというでたらめな順序で成立しているのが奇跡的。
 
 サスペンス展開を盛り上げたいという要請によって生まれたサスペンスの申し子でもあるデュエルモンスターズが劇場作品用にサスペンス部分を強化しまくれば面白いのは当然と言えば当然ですが、プラス、カードゲームという性質上「このカードを使ってこのようなプレイングをした結果こうなった」という相手を負かす展開にある程度論理的な帰結もあるため、起こっていることはインフレしまくりな展開なのにそこそこ見やすいのも好印象。
 
 ですが、どうしても歴代主人公三人がタッグを組み、3対1の変則的なデュエルをするという企画ありきのためか、その人数分の戦力差を補うため敵側の魔法やトラップ、モンスターカードの効果がほとんど何でもありのようになっているのはさすがにノイズに感じる部分もありました。ここは単独で一度デュエルさせ、とても一人で適う相手ではないと印象づけさせてからタッグを組ませる展開のほうが自然だったはず。
 
 後、ブラックマジシャンとブラックマジシャンガールをデュエル中に突然会話させるといった映画としては下品極まりない演出をしないで欲しいです。
 
 

まとめ

 
 サスペンス映画が大好きでサスペンス原理主義的な荒木飛呂彦先生のジョジョに強い影響を受けた原作者の高橋和希先生の漫画が最終的にはサスペンス的な面白さで引っ張る劇場用アニメになるという流れに奇妙な運命を感じた一作でした。
 
 もちろんこの面白さを理解するためには最低限デュエルモンスターズのルールを理解しておかなければならず、やや楽しむためのハードルが高いのが問題と言えば問題。
 
 

 

 

※ 荒木飛呂彦先生がサスペンス映画愛を語る新書

 

ディアブロ3(PS3版)

 

プレイ動画


点数:80点
 
 

短評

 完璧に近い美しさのゲームデザインを誇った2とは異なり、アクション寄りで爽快感重視のやや俗っぽい方向性にシフトした結果、アクションゲームとしては数段魅力を増したものの、2の唯一無二感は損なわれた。全体的にどこかが良くなるとその皺寄せを喰らいどこかは改悪してしまっているというパターンが多く、良くなった箇所と改悪した箇所で、改悪の印象のほうがやや勝ってしまう。
 
 

PCゲーム用からコンシューマゲーム用のUIに

 
 キーボード+マウスでの操作を前提としていた2(や3のPC版)から、ゲームパッドでの操作用にキーの割り当てが最小に留められた結果、もたらされる印象にかなりの差が生じる事に。
 全体的にPC用だったシステムをコンシューマ用(ゲームパッド用)に移行するため、キー数が多めで煩わしかった部分を簡易化したり、操作周りがゲームパッド用に最適化されたおかげで非常にプレイしやすくなり、2のやり過ぎで腱鞘炎が悪化した自分としては至れり尽くせりな快適さです。
 
 ただ、2では最重要とも言えるほどの存在感があり、戦闘中に切れたら即死亡だったポーションが今作では取り回しも効果もオマケのような扱いとなり重要性が後退。
 ポーションの重要性を後退させ、スキルツリーによる成長性も廃止し、攻撃スキルのセッティングと運用をメインに据えるというアクションゲーム的な方向性への舵の切り方は失った面白味も相当に大きく、プレイしていると覚える激しい違和感に最初は戸惑いましたが、一週クリアして二週目に入る頃にはすっかり「この爽快感路線もこれはこれでアリだな」と思える程度には馴染み、好意的に受け止められる様に。
 
 

緊張感が死に、爽快感が誕生

 
 自分的に最も2との違いでガッカリさせられたのは戦闘中に死んでも大きなペナルティが存在しない点。まさにその部分のバランス設定の絶妙さに惚れていたため、これはほとんどディアブロという名前が付いただけの別のゲームをやっているかのような錯覚に陥るほどでした。
 
 2は戦闘で死亡することにペナルティを設けることで緊張感を持続させ、プレイヤーに雑なプレイをさせないように背筋を伸ばさせる働きがありましたが、今作は死亡してもその場で復活でき、ペナルティも武器・防具の耐久率が減るだけという非常に甘いもので、もはやペナルティの役割を果たしてすらいません。
 
 これは2と異なり、ペナルティという緊張感で集中力を持続せるというアプローチを止め、敵を薙ぎ払う爽快感に酔わせプレイを盛り上げ続けるというアクションゲーム路線への仕様変更の影響らしく、ゲームとしてほとんど2と別物といっても過言ではないほど感触が異なります。確かにアクションがど派手で広範囲攻撃がベースになったため大量の敵をスキルで薙ぎ払っていくバトルには爽快感はありますが、その代わりに死亡時のペナルティが無い分どうしてもプレイが大味かつ単調になり、2ではありえなかった眠気を覚えるほど。
 この眠気はシナリオが完全一本道になり、ただひたすら言われた通りに前に進むだけでプレイヤーが考える余地が皆無になったことと、一本道になった割りに異常にダンジョンが長くて平板なことも災いしており、深刻に感じました。
 
 路線を爽快感重視のアクションゲーム寄りに変更したのに、レベルデザインがそれ用に調整されておらず、結果プレイヤーに眠気を感じさせるという隙が生じてしまったのが残念でした。
 
 ただ、やはり2に比べたら格段にアクションゲームとしての楽しさは増しているため、強力な武器を拾い、それを装備し敵をど派手に薙ぎ払うというハクスラジャンルとしての喜びがより体感で味わえるようになったのは大きなプラス要素の一つ。
 
 ですが、自分的には失った緊張感と手に入れた爽快感を天秤にかけると失った緊張感のほうがやや勝る印象です。
 
 

高級感の減少

 
 2にはあった生理的な嫌悪感を催すようなグロテスクな造形の敵や、ギミックなどの雰囲気作りが目減りして、作品的に一貫していたホラー風味が後退。
 今作はとにかく派手でバカでかい建造物(ダンジョン)が次から次に出てきますが、バックボーンとなる世界観設定やシナリオがスカスカであまり効果を発揮できていません。
 そもそも完全一本道でガチガチに縛り、プレイヤーに考える隙すら与えないため、やらされている感が半端ではありません。
 
 目標を提示し、それをプレイヤーが自らの意志で遂行するというプロセスを省いてしまったため、2のほどよい自由度と、しかしどこに行くのか迷うことはないというバランスの妙が崩壊し、自分が今どこで何をやっているのかが不明瞭なままで、前に進んでいるという達成感が乏しい、機械的にクエストをこなしていくだけの味気ないプレイ感になってしまっています。
 
 2にはあった、マップを歩いていると知らず識らずのうちに高レベルの敵がいるエリアに迷い込んでしまいフルボッコにされるといった不意の事態に遭遇するなどの刺激がなく、単調さが支配するマップは見た目が派手なだけでディアブロとは思えないほど薄く退屈です。
 
 

2に比べて良くなった箇所

 
 まず、2にあった、鑑定するまでどんなスキルが付加されているのか不明な武器・防具をショップで買うギャンブルという要素が無くなり、代わりに鍛冶屋で装備をクラフトする要素が追加された点。
 
 新しい装備をクラフトする際には素材が必要となり、その素材はマジックアイテム(スキル付き装備) を分解して手に入れなくてはならないため、片っ端から拾ったマジックアイテムを分解することに。
 このため、2ではマジックアイテムを手に入れても、必要なければ全てショップで売って処分するだけだったのが、新しい装備のクラフト用にどれだけ弱いマジックアイテムでも素材に変換すれば価値が生まれるようになり、アイテム拾いのモチベーションが向上しました。
 
 持てるアイテム量が飛躍的に増えたことで、アイテムを拾う際にいちいち拾うかどうかを悩まなくて良くなった点や、拾った装備で不必要なものはジャンク品指定すれば、一括で分解したりショップに売却できるという便利機能が追加されたこともプラスに働き、2に比べると単純にアイテムを拾うことが快感として機能するように。
 レアアイテムを拾う喜びが増し、かつアクションゲームとしての爽快感が増したことで、拾った強力なレアアイテムを使って戦闘する際の興奮は2を軽く凌駕するほど。
 
 

不満あれこれ

 
 ポーションは店でアイテムとして購入するタイプではなく、シャイニングフォースやダークソウルのような特定ポイントで補充する、ゲームの進行と共に持てる最大量が徐々に増えていくタイプのほうがメリハリがあったはず。
 今作のポーションバイオハザード6のハーブタブレットすら連想させるほどあまりにも存在価値が薄すぎて少し不憫なほどです。
 
 後、ディアブロは物語の楽しさが云々という作品ではありませんが、いくら何でも2のシナリオを引きずり過ぎているため、2で戦った三大悪(ディアブロ、バール、メフィスト)に比べて小者感が強い四小悪(2ではACT.1のボスのアンダリエルやACT.2のボスのドゥリエルと同格)のベリアルやアズモダンが物語的に重要なポストなのがややしょぼい印象を受けます。
 
 前作でナッパやベジータと戦った後に、続編でラディッツと戦わされるようなスケールダウン感を覚えました。
 
 それに、いきなりラスボスとしてディアブロが登場する終盤の展開がやや唐突過ぎるなど、2では終始ディアブロをメインに据えた落ち着いた話し運びだったのに、今作はやや展開がとっちらかっているのが気になりました。
 
 

まとめ

 
 初回プレイ時は、あまりにも神ゲー過ぎた2の続編ということでマイナスの部分ばかりに目が行ってしまいましたが、トータルで見ると2には及ばないまでも、爽快感重視のハクスラアクションRPGとしては十分過ぎるほど楽しませて貰ったため、非常に満足です。
 

 

 

 

ディアブロIII

ディアブロIII

 

 

ディアブロ2(Battle.net版)

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キャプチャー画像

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点数:95点
 
 

メモ

リザードBattle.netで英語版(DL版)を購入し、通常版のみと拡張パックを日本語化してプレイ拡張パックをインストールするとゲーム自体が起動しなくなる不具合が起こるため、拡張パックのプレイは断念)
 
・通常版を日本語化した状態で拡張パックをインストールしようとしたため不具合が生じていただけで、通常版をそのまま(英語版)の状態で拡張パックをインストールすると、問題なく起動し、その後に日本語化も行えた
 
・オフ専のためシングルプレイヤー(オフラインモード)のみプレイ
 
 

短評

 シンプルイズベストなゲームデザインの一つの究極に達している怪物ハクスラアクションRPG。一度中毒の底なし沼に足を踏み入れると作品の虜となり、抜け出せなくなる魔性の魅力を備えた大傑作。
 
 

魔のルーチンワーク

 
 中毒性の高いゲームは往々にしてプレイがやや作業的になりがちですが、今作もご多分に漏れず、心地よい作業感を堪能できます。
 
 ゲームの起動が高速で、かつルール設定や操作周りが非常にシンプルなため、ゲームを開始すると超速で作品に没入し、そのままシステムに意識が溶け込むかの如く中毒性の虜になります。
 無駄な工程を省き、複雑なシステムを徹底的に避け、余計な派手さ(刺激)を抑えることでゲームへの没入度を瞬間的に最大値まで引き上げてしまうゲームデザインは恐ろしさすら感じるほど。
 
 戦闘は敵や画面をマウスでクリックするだけの地味なもので一見すぐに飽きが来そうなものですが、敵を倒した際のうめき声やSEが小気味よくいいアクセントになっていたり、大量に出血し地面を鮮血で濡らしながら死んでいく敵のアニメーションが凝っており、ただ群がる敵を倒していくだけで辺りに死体の山が築かれていくというビジュアル的な爽快感が味わえたりと、プレイの心地良さをアシストする演出周りが丁寧で、隙がありません。
 
 目標設定も明快そのもので、今作は移動する際には中継点(ウェイポイント)というダークソウルでいう篝火(かがりび)のような一度起動したらその後は自由に行き来できるようになるワープ機能を用います。その中継点(ウェイポイント)がどこのエリアにあるのかという情報が最初からオープンにされているため、メインのクエスト進行と平行し中継点(ウェイポイント)のある目標エリア内を探索するという感覚的に分かりやすい目先の目標が常に提示され続け、プレイに迷いが生じることが皆無に近いです。
 
 あらゆるシステムが中毒性に従属し、それを強化することに徹しているため、ハリウッド黄金時代の映画のような無駄のない引き算的な美しさを極めたゲームデザインに感動すら覚えるほど。
 
 

YU-NOを連想させる時間と手間を天秤に掛けさせるペナルティ設定

 
 YU-NOのA.D.M.S.(アダムス)システムは宝玉をうまくマップ上に設置しながら進めないと膨大な時間をロスするという緊張感によりゲーム性を生みだしていましたが、今作ではタウンポータルという簡易ワープ機能がそれと似たような働きをしています。
 

 
 メインで用いるワープ機能は前述した通り中継点(ウェイポイント)ですが、その他にタウンポータルというプレイヤーがアイテムを使い自らの意志でどこにでも設置できる使い切りの簡易ワープ機能があります。このタウンポータルという機能は、ダンジョンだろうとどこだろうと何時でもどこでも設置でき、一瞬で街(拠点)まで戻ることができる代わりに、ゲームを中断して止める際には消えてしまいます。今作はオンラインモードをベース(?)にしているためか、複数セーブスロットなどはなく、風来のシレンシリーズのようにあらゆる行動にやり直しが効きません。どんな選択肢を選ぼうが、選んだらもうその行動の取り消しは不可能です。
 
 今作は敵にやられるとやられた箇所に操作キャラの死体が装備品を身に付けたまま残るという、デモンズソウルやダークソウルにおけるソウルのような仕様で、この死体から装備品を回収する方法は二つ。一つは設置したタウンポータルは消えますがゲームを一度リセットして再開するとリセットする場所がどこであろうと強制的に街(拠点)から再スタートとなり、スタート地点の隣には先程の操作キャラの死体が移動しており、それを回収すれば装備品は戻ってきます。
 もう一つの方法は死体がある場所まで戻り直接回収するやり方ですが、これが肝です。マップやダンジョンには大量の敵がうじゃうじゃとひしめき合い、とてもではないですが終盤などはその中にメインの装備品を欠いた状態で踏み込めば一瞬でフルボッコにされあっさり死亡します。プレイヤーがやられるということは大概はこの大量に湧きまくる敵群の中か強力な敵(ボスなど)の近くに装備品がある状態で、それを回収する作業は並大抵の苦労ではありません。
 ここでプレイヤーは選択を迫られます。
 
1.  タウンポータルが消え、それまで撃破した大量の敵も復活してしまうため時間はロスするがゲームをリセットしてまた拠点から安全に再スタートするやり方
 
2. うまくいけば時間のロスが回避可能な、設置したタウンポータルで戻り敵群の中から死に物狂いで装備品を回収するやり方
 
 1を選んだ場合は楽に装備品を回収できますがもう一度時間を掛けてやられた場所まで大量の敵に進路を阻まれながら移動し直さなければなりません。2を選んだ場合は画面を埋め尽くさんばかりの敵群の中から装備品を回収するという苦行を強いられますが、うまくいけば敵群の中でうっかり死亡してしまったという失敗を帳消しにすることも可能です(タウンポータルをきちんと設置しながら進んでいることが前提ですが)。
 
 このようにプレイヤーがタウンポータルをきちんと設置しないという雑なプレイや、うっかりミスで大量の敵群の中で死んでしまうと、YU-NOで言うと宝玉セーブの設置場所を間違える、もしくは設置し忘れるといううっかりミスで時間をロスするのと同様のペナルティを支払わせられる羽目に。
 風来のシレンシリーズのようにやられると鍛えた武器・防具を全て失うという装備品と同様にやる気まで失いかねない重いペナルティではなく、YU-NO的な雑なプレイや失敗イコール時間をロスさせるという良い塩梅のペナルティ設定で絶妙なストレスの圧を掛け緊張感を生み出し、かつプレイヤーの工夫でその時間のロスすら回避できるチャンスまで与えられるというゲームバランスは見事としか言いようがありません。
 
 自分は丁寧なプレイをしている限りは問題はなく、うっかり油断して雑なプレイをすると即ゲームオーバーになるというゲームバランスが非常に好みなため、今作のバランスはその方向性の極致に近く、これまでプレイしたゲームの中でも間違いなく最高クラスの完成度でした。
 ヒット&アウェイで敵に囲まれないように戦っていればそうそう死ぬことはありませんが、少しでも雑なプレイをしたら一瞬でフルボッコにされ、街(拠点)からやり直しor装備品の強行回収という二択を迫られ続けるため、太く丈夫な緊張の糸が途切れることがありません。
 
 

不満あれこれ

 
 ハクスラ要素がメインのわりにあまりにも持てるアイテム量や預けられるアイテム量が少なすぎて、ドロップするアイテムを普通に拾うことや、レアなアイテムを保管することすら困難な点。タウンポータル機能があるため、アイテムが一杯になったらその都度街(拠点)に戻れますが、いちいちアイテムが満杯になる度に街に戻っていたらいつまで経っても先に進まないため、テンポを維持するために大量のアイテムを捨てたり無視して進むため、途中からアイテムは拾う物ではなく捨てたり無視する物という認識となり、敵がアイテムをドロップしたり、宝箱などを開けることに喜びがまったく生じません(元々マップやダンジョンの宝箱やオブジェにそれほどレアなものが入っていないという問題もありますが)。
 
 レアなアイテムを拾っても保管する場所がないため泣く泣く手放すという部分は取捨選択の心地よい苦悩が味わえてプラスとも取れますが、槍(スピア)や弓、ジャベリンなど複数の武器を使うアマゾンなどはそれら複数の武器の中から良い物を取っておくという選択肢すら困難です。そのせいでメインで使用する武器やスキルを絞らなくてはならなくなり、結果弓をメインで使いながら偶然手に入れたレアな槍(スピア)もたまには使ってみたいのに槍(スピア)を保管するスペースがそもそもないため捨てなければならないなど、アイテムを保管できる量が少ないことでプレイの幅が狭まってしまうこともあり、非常に勿体ないと感じました。
 
 
[※追記]
 
 拡張パックを適応するとアイテムの保管量が倍に増えるため、保管できるアイテム量が少なすぎるという不満はほぼ解消されました。

 

通常版

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拡張パック適応後

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まとめ

 
 自分の好きなRPG生涯ベスト3には確実に入る超弩級の大傑作。
 
 この作品をプレイする前と後でRPG観、延いてはゲーム観そのものに強い影響を受けるという幸せなゲーム体験を味わえ大変満足です。
 
 

余談

 
 途中までマウスのボタンを押しっぱなしにすれば連続攻撃をオートでしてくれるということに気づかず、いちいち一回の攻撃に付きワンクリックし続けていたら、元々ゲームのやり過ぎで右手首が腱鞘炎気味だったのが悪化してしまいました。
 
 押しっぱなしにすればいいのにそれに気づかず効率の悪いプレイを続けてしまったせいで腱鞘炎というペナルティをし払わされることまでもどこかディアブロゲームデザイン的。
 

 

 

Diablo 2 + Expansion Set (PC) (輸入版)

Diablo 2 + Expansion Set (PC) (輸入版)

 

 

バイオハザード/オペレーション ラクーンシティ(Xbox360版)

 

トレーラー


点数:55点
 
 
※オフ専のためオフラインモードのみプレイ
 
 

短評

 もっさりレスポンスとガッカリゲームバランスで拷問のようなストレスゲー。ただ、ゲームのコンセプトやアンブレラ社の私設部隊が主役という設定だけは好み。
 
 

極悪な操作性と狂ったゲームバランスはラクーンシティの混沌を表現している?

 
 発売順は逆ですが、先にバイオハザード6をプレイしていたため、ほとんど6をやった際の印象と同じで、元々システムが酷いのに、それをさらにアシストするかの様な狂ったバランス調整によってなぜかストレスを軽減させるどころか増幅させるという謎の仕様。
 
 6は弾が入手し辛いのに敵がやたら回避行動を取ったり体格が小さかったりで弾が当たり辛く、かつ固くて何発撃っても死なず苛々させられましたが、今作はそれのさらに上を行き、ヘッドショットがメインのゲームなのにレスポンスが極悪でエイムがし辛かったり、同じくエイムが満足に出来ないのに敵はこちらが対応できない様な素早い動きを見せ、かつ大量に湧くため、何度も周りを囲まれて為す術もなくフルボッコリンチされるという目も当てられない内容。
 
 その他にも挙げていったらキリがありませんが、あらゆる箇所が痒いところに手が届かない不完全さ。
 6と同じで敵が固めで中々死なずに苛々させられ、さらに一部クリーチャー(リッカーなど)は一時的にダウンしたのか死んだのかがイマイチ見た目で判断が付かず、倒れた後もしばらく動かないのを観察するか、軽く弾を浴びせて死亡確認をしなければいけない始末。
 常に4人行動なのに味方の(武器・スキル)セッティングが出来ず、さらに指示も一切出せないため全員好き放題動き、挙げ句に勝手にやられるだけ。
 地面に落ちているアイテムを拾おうとしてもカメラをかなり正確にアイテム方向に向けないと拾ってくれないというストレスフルな判定範囲の狭さに、レスポンスが酷いためいつもより重要性が増しているのにも関わらずお馴染みのクイックターンはなぜかスティックではなくLBボタン(Xbox360の場合)で行うという改悪っぷり。
 
 敵の兵士とゾンビを同一マップ内に配置し、敵兵士を撃って出血させ、ゾンビをけしかけたり、一部のスキルでゾンビや生物兵器を操って同士撃ちをさせるというコンセプトはハーフライフ2バイオショック、シンギュラリティなど、多くの作品で似たようなシステムを見かけますが、この部分はゾンビが大量に存在するというバイオハザードの世界観設定とシステムが自然にマッチしており良かったと思います。ですが、やはり操作性やバランス調整の甘さが全てを台無しにしており、結局面白いと感じるよりもストレスだけが先行する残念な結果に。
 
 同じバイオハザードでもリベレーションズシリーズは特にゲームバランスに問題を抱えていないため、今作と6のプレイが苦痛なレベルのとんでもバランスが余計際立って見えます。
 
 

アンブレラ社押し部分は大好き

 
 シリーズの2と3の裏側で起こっていた、ラクーンシティを巡るアンブレラ社の私設部隊U.S.S.(アンブレラ・セキュリティ・サービス)とアメリカ政府の部隊の衝突というアイデアはプレイする前はどうせ後付けのどうでもいい話だろうと思っていましたが、プレイしてみると割とそこは好印象で、驚かされました。
 
 理由は長年コツコツと知名度アップに勤しんできたアンブレラ社という企業のキャラが立っているため、アンブレラ社の精鋭部隊としてメタルギアソリッドフォックスハウンドもどきのようなマスクを付けたヘンテコな集団が出てくるだけでテンションが上がります。
 アンブレラ社のカリスマ性をやや低く見積もっていました。
 
 アンブレラ社の私兵となり、生物兵器開発の証拠隠滅工作や、会社にとって都合の悪い生存者の排除、そしてウィリアム・バーキン博士からGウィルスサンプルを奪取しろ、などの命令を受けミッションに挑むとなるとやはりシリーズファンとしてはウキウキです。
 これはアーマードコアの一作目で大企業に雇われ、企業の利益のために悪逆非道を尽くすという快感とそっくりで、堪らないものがあります。
 
 このアンブレラ社の私兵として悪事を働くという愉悦は是非何度も味わってみたいと思わせるほど黒い魅力に溢れ、最高でした。
 
 

まとめ

 
 2と3の(後付けの)バックヤードを覗きたい、もしくはアンブレラ社の手先になりたいという願望を持っていなければ特にプレイする価値も無し。
 
 

 

バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ

バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ