エンタメ不感症の患部に巻く包帯

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好きなものについて語るブログ

龍が如く OF THE END(オブ ジ エンド) 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 
点数:55点
 
 

短評

 
 クリアまで約10時間ほど。龍が如くシリーズとしても、シューティングゲームとしても、ゾンビものとしても、ほぼ褒める部分の無い駄作。
 
 
 

ラクーンシティのコスプレをした神室町

 
 ビジュアルからしてバカゲー路線なのは覚悟し、ハードルを下げまくって挑みましたが、実際プレイすると想像を遥かに超えて出来が酷く、プレイ開始数十分で今作をスルーしなかったことを後悔させられました。
 
 内容は、メインストーリーを進めるほかに、神室町をゾンビが徘徊する隔離エリアと、平穏な通常エリアとに分け、通常エリア内ではミニゲームで遊んだりキャバクラに通ったりとシリーズのお馴染みの行動が取れ、隔離エリア内に侵入するとゾンビを倒して経験値を稼ぎレベル上げをしたり、武器強化用の素材を集めたり、隔離エリア内で発生するサブイベント(取り残された人間を救助する、など)をこなしたりという、隔離エリアがダンジョン風に機能するというもの。
 
 このゲームで唯一褒めるポイントがあるとすれば、この神室町のそこそこ広いマップを隔離エリアと通常エリアとに分断し、特定のポイントから隔離エリアに侵入し、ゾンビが徘徊する危険エリアを自由探索できるという部分。もう少し基本のシステムがまともならそこそこ面白いオープンワールド風ダンジョンRPGシューターになったかもしれませんが、いかんせんシューティングゲーム用に操作システム周りを一新するのではなく、元の龍が如くのバトルシステム部分をそのまま流用して適当にシューティングゲーム風に誤魔化しただけなので、銃火器を使った戦闘に一つも魅力がありません。
 
 普通のTPSのような固定ビハインドカメラではないため、カメラが向いている方向と自キャラの向きが異なるという事態が頻発し、その場合は自キャラの向きの方が優先されるためカメラは敵を捉えていても自キャラを一旦そちらに向けなければならず面倒です。このせいで何度も敵のいない明後日の方向に発砲するという状況が多発しイライラさせられます。バイオハザード4や5のようにその場で立ち止まってエイム(ヘッドショット出来る様に頭部にオートエイムされる)もできますが、通常は武器を構えもせずに敵がいる方向に撃ちさえすればある程度勝手に補正され命中するので、エイム機能すらロクに使いません(ヘッドショットをする場合や敵の弱点などを狙う際は使用)。
 
 龍が如くシリーズがウリにしている戦闘中にゲージを消費して出せるお手軽なのにド派手で爽快感があるヒートアクション(今作ではヒートスナイプ)も、なぜか周囲のオブジェ(ドラム缶などの爆発物、など)に弾を撃ち込み爆発させるとか、ボスの特定動作中にダメージを与えられる程度の使い道に格下げされておりガッカリ。なぜ大量のゾンビをお手軽に繰り出せる広範囲攻撃で排除できる、などの方向性にしなかったのか疑問。
 
 それに、元がシューティングゲームでも何でもない神室町のマップをそのまま雑に使い回しているため、シューティングゲーム用として使うにはいくら何でも無理矢理なエリアも多く、ひたすら狭くて敵が見え辛い場所でうじゃうじゃ湧くゾンビに四方八方からフルボッコにされたりと、レベルデザイン周りはボロボロで、ストレスしか溜まりません。
 
 総じてシューティングゲームなのに、土台のシューティング部分の完成度が低すぎて、ゾンビとの戦闘はほぼ一貫して苦痛を伴う作業にしか感じませんでした。
 
 
 

潔いほど何の工夫もないゾンビ描写

 
 今作をプレイする前は、神室町龍が如くと言い換えてもいい)とゾンビというリアリティラインが100%噛み合わないであろうものを一つの作品としてどのように摺り合わせるのか見当も付きませんでしたが、プレイすると仰天もいいところで、なんと無策!? いつもの龍が如くの様に始まり、何の事前描写も積み上げることもせず唐突にゾンビが登場するため目を疑いました。舞台やシチュエーションに説得力を持たせるためいつもと演出トーンを変え不穏さを煽るとか、ホラー調(もしくは極端にコミカル調)にするとか、神室町で最近怪しい人影の目撃が相次いでいるとか、謎の奇病の様なものが蔓延している、などというゾンビものとして最低限の説明を挟む様な回りくどいことも一切しません。本当にいつもの龍が如くのまんま始まり突然ゾンビが出現するため作り手の正気を疑ったほど。
 
 もうこの時点で今作に対する興味は失せました。いつもの龍が如くからどのようにゾンビもの仕様へとスムーズに意識を移行させるのかという、今作が最も丁寧に気を配らなければならない箇所をおざなりにしてしまったことが尾を引き、自分が一体何をやっているのか最後まで掴め切れないままでした。龍が如くという極道たちの世界にゾンビという極端な異物を馴染ませる気がないという姿勢は、プレイヤーを今作にのめり込ませる気がないということとほぼイコールです。
 
 極道の世界というあまりゲームとは馴染みがなく、成立させるのが困難だった対象を丁寧に描写し見事ゲームに仕上げて見せた龍が如くシリーズなのに、こんな初歩中の初歩のくだらないミスをしでかすなんて、作り手の側が極端に龍が如くシリーズの魅力を過信しすぎて丁寧なディテールの積み重ねを怠ったとしか思えません。一作目の冒頭でもし極道の世界へと瞬時にプレーヤー意識を馴染ませられなかったらそもそもこのシリーズは成立していなかったはずです。丁寧なディテールの積み重ねによって成功を収めたシリーズが、初心を忘れてしまった末路は悲惨極まりないものでした。
 
 
 

まとめ

 
 龍が如くシリーズのブランドに泥を塗っただけの、最低最悪な悪ノリの産物である不愉快な駄作。
 
 
 
 
龍が如くシリーズ


 

 

 

龍が如く OF THE END (通常パッケージ)

龍が如く OF THE END (通常パッケージ)

 
龍が如く OF THE END PS3 the Best

龍が如く OF THE END PS3 the Best

 

 

龍が如く4/伝説を継ぐもの 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 
点数:75点
 
 

短評

 
 クリアまで約25時間ほど。4人の主人公でオムニバス形式の様な語り口を採用するなど、チャレンジ精神は垣間見られるものの、結局3の素材をほぼそのまま使い回しているため斬新さはほぼ皆無。3で感じたシステム周りの不満はあらかた解消されプレイしやすくなったものの、マンネリやシナリオセンスの低下が深刻な領域に入り出した。
 
 
 

華麗なスタートダッシュを決めたのに……

 
 今作は一作目からお馴染みの主人公である桐生一馬の他に3人の初登場キャラを加えた計4人の主人公がおり、ドラゴンクエスト4の様に第一部から第四部まで一部ごとに主人公が交代していき、ラストである第五部で全員が合流するという形式。舞台は神室町(かむろちょう)に固定されており、他の街は登場せず。
 
 プレイ開始直後、第一部の主人公である秋山のエピソードが始まると、初めて一作目をプレイした時と非常によく似た懐かしい神室町の匂いがし驚かされました。2や3は桐生一馬という一作目の主人公がそのまま継続していたので、わざわざ一からキャラを立てる必要がなく、良くも悪くも過去作を知っている前提の作りでしが、今作は新主人公のキャラを再び一から構築しなくてはならない分、一つ一つの描写が非常に丁寧で、これが一作目に近い雰囲気を醸す要因になっているのだと思います。冒頭から雨に濡れしっとりと艶(つや)やかな神室町の美しいビジュアルを見せたり、桐生一馬とは異なり極道ではなくカタギの金貸し(兼キャバクラオーナー)である秋山の視点から描かれる神室町が斬新だったりと、非常に好感触な立ち上がりで「これはもしかしたら傑作かも!?」と期待させられました……が、結局最後までプレイするとその期待は一過性のものでした。
 
 神室町のマップはほぼ3の使い回しで、屋上エリアや地下エリアという新エリアも追加されてはいますが、基本の印象はそれほど変わらず。今作は神室町という街そのものよりも、街の在り様を見つめる視点の役割を果たす主人公サイドに工夫を凝らすというアプローチで、カタギの金貸しや、25年ぶりにシャバに出て神室町に戻ってきた極道の死刑囚、神室署生活安全課の不良刑事など、桐生とは異なる神室町観を有する人間達の街との繋がりを掘り下げることで神室町にいつもとは異なる光の当て方をしています。このおかげで、マップ自体はほぼ3の再利用でしかないのに、格段に神室町という舞台そのものにドラマが生じ、なるほど街ではなく視点となる主人公の立ち位置のほうを変えてしまうという選択肢も有りだなと納得。
 
 ただ、結局4人の主人公が抱える事件は掴みはうまくて程よく先が気になるものの、謎が明らかになっていくと同時に荒い脚本が露呈し足を引っ張りだすので、後ろに行けば行くほど話への興味が失せてしまうのは3と一緒。2や3の様にヘンテコな国際組織が出てきて無理に話のスケールをでかくしたりという展開がない分、話運び自体は落ち着いており好ましかったのですが、問題は演出の下手さや、サスペンスやミステリーのテクニックがあまりにも稚拙すぎて直視に堪えない箇所が多量に存在する点。今作はシリーズの中でも群を抜いてサスペンスやミステリー的な展開・トリックを登場人物を極端にバカかマヌケに設定することで成立させるという呆れるほど低レベルな作りで、頭がキレる人間がさらに一枚上手なキレ者に巧妙に騙されるなどという手に汗握る展開は皆無。とにかくうかつなキャラの注意不足で事態が悪化したり、誰でも気付きそうな不自然さに気付かないなど、登場人物達の知能指数や認知能力を下げまくることで本来なら成立しないはずである展開を強引に成立させるというお粗末この上ないやり口が続くため、もはやゲームをやっているこちら側がバカにされている気分にすらなります。
 
 他にも、最初の秋山はまだいいとしても、他の新主人公2人分キャラ紹介が入るためその都度停滞しもたつきを覚えたり、もはやラスボス戦が因縁も何も薄すぎてほとんど空気だったり、2から登場したあるキャラが特に掘り下げられもせず悪者サイドとして扱われ不快だったりと、終わってみると“インファナルアフェア”ごっこのシナリオは散々で目も当てられません。
 
 
 

変化に乏しいマンネリシステム

 
 主人公が4人になったことで、それぞれ戦闘スタイルが変わるということをウリにしたいらしいですが、そもそも龍が如くシリーズはバトルシステムの出来があまりよくないので、それに4人分のバリエーションを持たせたところで特に意味があるとも思えません。土台の出来が悪いシューター系のゲームで新しいハンドガンが追加されようが、サブマシンガンが追加されようが、アサルトライフルが追加されようが別段つまらないことに変わりがないことと一緒。
 
 3で不満だった武器クラフトでレシピを持っているのに完成品がリストに表示されないという状態は改善されたものの、今度は4人の主人公で桐生以外は使えない武器が多いとか、主人公が変わると所持アイテムが全てリセットされるため次の主人公に武器を持ち越せないとか、主人公が4人制になったことでマイナス要素が格段に増えてしまい、結局あまり存在感を発揮できないのは同じ。クラフト系のシステムは、RPG(成長要素)と絡めたり、そもそも多種多様な物が販売されるお店が豊富にあったり、素材をミニゲームややり込み要素の景品にしたり、サブクエストの報酬と連動させたりと、非常に龍が如くシリーズと相性が良さそうなシステムなのになんでこんなオマケの様な扱いなのか疑問です。
 
 やり込み要素は、3で初登場したキャバ嬢を店のNo.1に育てるという軽めの育成SLGであるキャバつくが多少システム周りが便利になった程度の改修でほぼそのまま収録されているのと、格闘家をつくろうというパワプロサクセスモード風というか、モンスターファーム風というか、格闘家にトレーニングの指示を出しステータスを上昇させトーナメントで勝たせるという要素が追加され、なぜかやたら育成SLG押しの謎のバランスです。自分的には2のキャバクラ経営の様な軽めの経営SLGで、かつ神室町の雰囲気を強化してくれるようなタイプのほうが好みで、キャバつくはまだいいにしても、格闘家をつくろうは正直本編の雰囲気を強化するような働きをしないので、それほどのれませんでした。システムそれ自体はそこそこ面白いものの、これをやったからといって別段神室町への印象が変わるわけでもなく、だったら良くできた育成SLGを別個にやればいいだけにしか思えません。龍が如くミニゲームややり込み要素はシステム単体でどうこうより街の魅力を強化してくれるかどうかのほうが重要で、これはやや逸脱気味に感じました。
 
 
 

まとめ

 
 秋山駿という桐生一馬に負けず劣らずの魅力を備えた主人公を創造できたのは儲けものですし、ラストで桐生一馬が主人公となると圧倒的なカリスマ性で前半3人の主人公の印象をぶち抜く貫禄を発揮することで、やはり龍が如くシリーズは魅力的なキャラクターに支えられている面が大きいことに改めて気付かされたりと、得るものもありました。
 
 ただ、序盤は傑作なのではないかと期待させるほどバランスが整っていたのに、中盤以降は3の素材の使い回しが露骨でやたら貧乏くさかったり、相変わらずシナリオが破綻気味で余韻が最悪だったりと、終わってみると欠点ばかりがやたら印象に残るのは3とほとんど同じで、もう一作目のセンスはどこかに消え失せてしまったのかもしれないという不安は拭えないまま。
 
 
 
 
龍が如くシリーズ

 

 

 

 

龍が如く4 伝説を継ぐもの

龍が如く4 伝説を継ぐもの

 
龍が如く4 伝説を継ぐもの PlayStation 3 the Best

龍が如く4 伝説を継ぐもの PlayStation 3 the Best

 

 

龍が如く3 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 
点数:75点
 
 

短評

 
 クリアまで約20時間ほど。シリーズのお約束を踏襲するだけでシナリオ・システムともに目新しさが足りず、過去作に比べるとややパワーダウン気味。相変わらず龍が如くシリーズお馴染みの街を散策する楽しさは健在だが、全体的にやや薄味のプレイ感。
 
 
 

地域密着型ヤクザが暮らす地元風味を醸す沖縄繁華街と、不動すぎて柔軟性に欠ける神室町

 
 今作も2と似た構造で、基本は神室町(かむろちょう)をメインにストーリーが進行しながら、沖縄の那覇市にある国際通りをモデルとした琉球街(りゅうきゅうがい)という繁華街も探索可能という作り。ただ、神室町に腰を据えながら大阪に遠出していた2と異なり、主人公の生活基盤が沖縄の方にあるため、今作は沖縄がホームで神室町のほうがややアウェイ感を醸しています。
 
 この神室町の申し子のような主人公の桐生一馬にも関わらず、プレイ中神室町が若干アウェイの場所に見えるという利点をもう少しうまく生かし、東城会が暴力主義となり荒れ果て、かつてとは印象が一変してしまった神室町という設定に利用して欲しかったです。龍が如くシリーズは主人公が久しぶりに神室町に帰ってくるとそこは見た目は同じでも中身がかつての見知った神室町ではなくなっており、なぜこの様に変貌してしまったのか?という謎をサスペンスとするため、沖縄の人間となり、異なる視点を獲得した桐生一馬から見た神室町に対する違和感は格好のサスペンス演出となったのにそこを利用しないのは勿体ないです。
 
 神室町への認識変化が乏しいという問題にも関連しますが、神室町のコンセプトがあまりにも不動過ぎるという点がそろそろ気になり出しました。一作目の段階で街としての完成度が高すぎたため、変えたくても少しでも弄ると全体のバランスが崩れ兼ねず慎重になるあまりに、ほとんど地理的に変化がなく、せっかくマップの作り自体は見参と同じく全体がシームレスとなり、新鮮味があっても良さそうなのに、いつもの神室町感が拭えません。確かに神室町をあちこち散策するのは相変わらず楽しいですが、それは一作目の出来の良さに依存し、ひたすらそれを引っ張り続けているからで、龍が如くシリーズの核であるはずの斬新なものを作りたいというコンセプトからはやや逸脱気味な印象を受けます。元々神室町という魅力的な街は新しいものを作りたいという意志の産物であり、ひたすらお化粧直しされながら手を変え品を変えのテコ入れで再生産し続ける対象にするのは街に失礼な気がします。
 
 初登場となる琉球街のほうは初見はやや味気ない駅前アーケード商店街程度の印象でしたが、観光地であるという浮ついた空気感と同時に、地域密着型ヤクザが暮らす地元風味も備わっており、あちこち散策して回るうちに印象が上向きました。見参の祇園の様に見た目のインパクトを前面に出すよりも、散策していく過程で違う表情が徐々に浮かび上がってくるという街演出のほうが舞台の雰囲気が体に馴染み、より愛着が湧きます。地元感が強い琉球街はナンバリングシリーズでは神室町に次いで魅力的だと思える新エリアでした。
 
 
 

安定したマンネリバトル

 
 今作もお馴染み過ぎる必殺技のヒートアクションの爽快感頼み&鬱陶しいだけのQTEを足した単調で特に魅力もないバトルシステムですが、唯一驚かされたのはシンボルエンカウントでバトルに突入する際にバトル画面に切り替わらず、エンカウントが発生した場所がそのままシームレスに近い形でバトルエリアになるという処理。戦闘時だけ周りに置いてあるオブジェが武器として使用可能となり、終わると画面が切り替わり戦闘中破壊したオブジェが元に戻るという、画面切り替えが戦闘終了後にだけ限定されるという進歩が見られ、嬉しくなりました。正直リアルタイム戦闘が一番好ましいですが、なるべく街を散策している通常状態とバトル状態を切り離さず処理しようとする意志が感じられ、非常に好感触です。
 
 後は、見参から十字キーに武器を割り当て戦闘中に瞬時に武器を持ち替えられるというシステムや、ベース武器(今作から防具も)に素材を合成して新しい武器・防具を生み出す武器・防具チューニング(武具クラフト)など、幾つかのシステムが引き継がれています。ただ、見参にはあったお金で武器の攻撃力を強化していくという要素はなく、新武器をクラフトする部分だけが持ち越されている分、見参に比べそれほどプレイのモチベーション維持に繋がっていません。
 
 非常に細かいことですが、クラフト周りで問題だと感じたのはクラフト用のレシピを入手してもお店のリストに新しい武器情報が追加されない点。リストに表示させるにはクラフトする際のベースとなる武器を所有していなければならず、これのせいでレシピを入手しても、いちいちレシピを見てどんなベース武器が必要かチェックさせられ面倒です(例えば、バットというベース武器と釘という素材で釘バットをクラフトする際、バットを所有していないと釘バットの情報がリストに表示されない。釘バットという完成形からこの武器を作るにはバットと釘が必要という情報を得られない)。自分は最初これが分からず何個レシピを買っても店のリストに新武器情報が追加されないため、素材はたんまりあるのにクラフトができないという状態に悩まされました。新しくリストに追加された武器情報を見ながら必要となるベース武器や素材をプレーヤーに認識させる作りでよかったのに、なぜそうしなかったのか謎です。
 
 見参は戦闘のメインが剣だったので常に剣を複数所有しており、新しい剣を見つけたら確保するという習慣が自然と形成されますが、今作は戦闘のメインは素手なので、ある程度武器は意識しないと入手ささらず、その性でせっかく武器クラフト要素が追加されても武器を能動的に探すという習慣がついていないことが足を引っ張ります。リストが不便なことと、武器の修理代がバカ高いこと、序盤に丁寧なチュートリアルを入れていないことなど複数の要因により、うまくやったら龍が如くシリーズの単調なバトルに、デッドアイランドやダイイングライトの武器クラフトの様な刺激をもたらしかたもしれないのに残念な結果に。
 
 他にも、ボスが固い上にノックバック無効状態で猛攻してくるのが面倒くさいとか、適当過ぎる成長システムなど、不満は相変わらず尽きませんが、ストーリー進行のテンポや、街を散策する楽しみを奪わないのであれば別段バトルに評価軸を置いていないので許容できる程度です。
 
 
 

1と2でできていたことすらことごとく失敗している残念なシナリオ

 
 今作のガッカリさせられる要素の中でも特に酷いのが1と2の要素を焼き直して劣化させたようなシナリオです。サスペンス要素は一作目で死亡したキャラクターとそっくりな人物が現れるという無理矢理なとんでも展開で、先が気になるというよりかは設定がバカバカしすぎて白けたり、ミステリー的な要素は後でオチが分かるとミステリーと呼ぶのを躊躇させられるほどのご都合主義ぶりで、物語の謎が明らかになればなるほど話への興味が失せていくという散々な内容。2もそうでしたが、出来もしないのにポリティカルサスペンス的なスケールの大きい国際組織のようなものを出し、その描き方があまりにも杜撰すぎて見ていて苦痛でした。
 
 ムービーはひたすらストーリーの説明に終始するだけで退屈極まりなく、途中つまらなすぎて2回ほど寝てしまいました。これなら会話ウィンドウにテキストを表示してくれたほうが自分の任意のタイミングで読み進められまだテンポがいいと感じるほど。ムービーでストーリーを延々グダグダ説明するのをやめ、キャラクターや舞台の掘り下げやその他ゲームパートの満足度に貢献する様な描写だけに絞って欲しいです。龍が如くシリーズをやっていて、これほど全編眠気に悩まされ続けたのは初めて。終始ゲームプレイではなくムービーで感情に訴えて感動させようとする下品なやり口に辟易させられっぱなしでした。
 
 その他にも、ラスボスとして立ちはだかる存在が、キャラクターとしては非常に魅力的なのにシリーズ恒例の背中の刺青にまつわるエピソードの掘り下げがなかったり、話し的にもさほど桐生と絡まず、これまでのシリーズで立ちはだかってきたライバル達ほどの因縁が生じずラストバトルが盛り上がらない点が致命的。このあーだこーだあって、最後に街を一望できるほどのやたら高い場所でお互いの刺青を晒しながらどつき合いで決着を付けるという龍が如くシリーズで最も痺れる瞬間が生きず、余韻が非常に淡泊です。
 
 
 

不満あれこれ

 
 見参から気になっていましたが、移動モーションがやや硬すぎてまろやかさに欠ける点。街を延々と移動し続けるゲームだけに、移動モーションは操作していて心地よさや軽やかさを伴う柔らかい動作のほうが好ましく、正直バトルシステムよりも街の散策の快適さに直結する移動操作の調整のほうに力を入れて欲しいくらいです。
 
 
 

まとめ

 
 不満がやたら多いですが、やはり龍が如くシリーズだけに、街を散策している時は幸福感に包まれ心が躍りますし、No.1キャバ嬢をつくろう(キャバつく)という軽めの育成SLG的なやり込み要素にハマり、店のNo.1になるまでぶっ続けで数時間キャバ嬢を育て続けてゲームを止められなくなったりと、なんだかんだ文句を言いながらも楽しませて貰いました。
 
 
 
 
龍が如くシリーズ

 

 

 

龍が如く3

龍が如く3

 
龍が如く3 PlayStation3 the Best

龍が如く3 PlayStation3 the Best

 

 

龍が如く 見参! 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 
点数:70点
 
 

短評

 
 クリアまで約20時間ほど。龍が如くシリーズらしい江戸時代初期の祇園(ぎおん)をゲーム内で再現しようというチャレンジ精神溢れる好ましい部分と、2に比べゲームテンポが悪くなったり、致命的なほどセンスがダサい部分があったりと、長短の落差が激しい箱庭アクションRPG
 
 
 

苦行の3時間の先にあるもの……

 
 プレイ開始直後、元はPS2のHDリマスター版である1と2をクリアし、ついにハードをPS3に移した龍が如くシリーズ最初の作品ということで、どれだけグラフィックが綺麗になっているのかワクワクしていると、なんと画面がボケボケでインターフェースの文字や会話ウィンドウ内の文字がまともに読めず「何で元がPS2のゲームの後にPS3のゲームをやったら画面がしょぼくなるんだ?」と呆然とさせられました。理由は1と2のHDリマスター版は解像度が1080pだったのに、今作は720pなので、単純に解像度が下がった分視認し辛かっただけ。しばらくプレイし、1080pの鮮明さに慣れていた目を720pに慣らすと画面がボケているという感覚は落ち着き、文字が普通に読めるようになり一安心。
 
 解像度にも慣れ、ようやくまともにプレイできると思うと今度は素手でのバトルが2に比べると味気なさ過ぎて困惑。理由は簡単で素手での戦闘をメインにしていた1・2に比べ、今作は宮本武蔵が主人公ということもあり剣での斬り合いが主なので、ステゴロの殴り合いはオマケ程度のものに格下げされたため。
 
 素手での戦闘がしょぼくなったことの理由にも合点がいき、ようやくプレイに集中できるかと思いきやなんと、序盤は3時間ほど、なぜ宮本武蔵祇園にいるのかという理由を説明するだけの強制回想プロローグが続き、もう嫌になるほど一本道の退屈なプレイを強要されうんざり。
 
 
 「いいからさっさとまともにゲームをやらせろ!!」
 
 
 と、半ばぶち切れながら退屈この上ない回想エピソードを死んだ目でこなし、ようやく本編がまともに始まる頃には疲れ果てました。
 
 デモンズソウルのようにあえて序盤を苦行とすることでプレーヤーに高難易度耐性を付けさせる、などという何らかの意図があってやるならまだ分かりもしますが、今作はただストーリーの説明と伏線を敷くためだけに3時間近い苦行を強いられるのでたまったものではありません。作り手は明らかにユーザーに甘えすぎで、こんなゲーム開始直後にムービー→イベント戦闘→ムービー→イベント戦闘→ムービー→イベント戦闘→ムービー……という、苦行の連続を体験させたら飽きられて途中でゲームを放り出されるという危機意識がないのかと呆れました(例えば、ザ・ラスト・オブ・アスの主人公の過去を描くプロローグが3時間続くと考えれば分かりやすいと思います)。
 
 序盤の強制回想プロローグ地獄という難所を抜けると、ようやくいつもの龍が如くシリーズらしく、色街である祇園と繁華街である洛外町(らくがいちょう)の二つのエリアを自由探索できるようになり印象が上向きます……が、ここまで辿り着くまでに今作への評価は最低レベルまで落ち込んでいるため、その後の信頼回復が容易ではありませんでした。
 
 
 

技術的には進歩、演出的には後退した祇園

 
 シリーズの一作目で感じた妥協せず一つの街とそこに住まう住人を描ききるという強い意志に近い、江戸時代初期の祇園を再現しようという高い志は非常に好感が持てました。街の作りは1・2から一新され、祇園や洛外町という今作の中心となる街はエリア全体がシームレス(店の中や街から街に移動する際は読み込みが入る)で、1・2にあったカメラ切り替え処理がなくなり、一部カメラが固定の場所はあるものの、街の中である程度自由にカメラを動かせるように。
 
 ただ、技術的には間違いなく進歩しているのに、どうしても1・2の昔のバイオハザードのような俯瞰気味の固定カメラが切り替わっていく方式は、あれはあれでカメラアングルにより街の表情をどの様にフレーミングして切り取るかの計算が入っていたので、なくなるとなくなったで普通の味気ない自キャラの後方からのありがちなアングルとなり、若干寂しさも感じました。
 
 祇園も洛外町も広さは神室町(かむろちょう)に劣っていますが、この時代の空気を伝えようという工夫が景観や店の看板などのデザイン、NPCの服装や挙動から垣間見え、妥協を感じさせない作り込みの密度は好感触でした(贅沢を言えば物理演算オブジェなど、プレーヤーが触れられ、ゲーム内世界との距離を近づけさせられるものもあちこちに設置して欲しいところですが)。まだまだ発展の余地はそこここに垣間見られるものの、PS3用の一作目としてリニューアルは果たせているので及第点の完成度だと思います。
 
 ただ、問題は1・2のようにメインのストーリーが神室町で起こり、神室町内をあちこち移動させられるという作りではなく、何かイベントが起こると祇園や洛外町からさらに外のエリアに移動し、そちらでイベントが展開するという構造です。これのせいで、祇園や洛外町はただの遠出をする際に準備をするための拠点程度の印象しかなく、ストーリー展開が街(舞台)と密着していません。祇園や洛外町以外のエリアは、ただの退屈な一本道か、本当にイベント用の狭いエリアしかなく、舞台としての魅力は皆無。もっと物語の舞台を祇園や洛外町に限定しなければ、せっかく作り込んだ街並みが真価を発揮できず、非常に勿体ないです。
 
 それと、神室町は一つの街の中に大人が多いホテル街や飲み屋街、若者が多い劇場前広場など、複数の表情が存在し、場所によって異なる雰囲気を醸していたのに対して、祇園や洛外町はどうしても住人が無個性気味で、味気ないのも神室町に勝てない原因の一つだと思います。それに、アイデアとしてはキャバクラ→遊郭、キャバ嬢→遊女という置き換えは分かるのですが、やはりキャバクラに対して、遊郭というのは正直時代劇などの映像作品でしょっちゅう題材として見かけるということもあり、キャバクラほど新鮮に映りませんでした。龍が如くシリーズが斬新な着眼点を追及するなら、祇園を舞台にするのはいいとしても、遊郭を中心に据えるという安易なアプローチは避けたほうが無難だったと思います。
 
 後、これは些細な問題ですが、龍が如くお馴染みのプロダクトプレイスメント(ゲーム内で実際の店や商品をそのまま登場させるプロモーション手法)が、当たり前ですが江戸時代なため皆無で、やや味気なかったです。この実際ならマイナスになりかねないプロダクトプレイスメントとうまく付き合い、なんならゲーム進行にすら組み込み(ストーリーを進行させるのに必要なアイテムがゲーム内ドン・キホーテで売っていたり)、シリーズの味として機能していたので、無くなるとそれはそれで寂しいです。商品や店のプロモーションすら魅力として取り込んでしまうほど懐が深い龍が如くシリーズはやはり姿勢として大人なんだなぁとしみじみ。
 
 
 

作業化し足を引っ張りだしたバトル

 
 今作の問題点の中でも放置できないのがバトルテンポが非常に悪くなってしまった点。シンボルエンカウントでバトルに移行するという点はまったく同じなものの、バトル中の動作が非常にもっさりしてレスポンスが悪く、その影響で動かしていて楽しくない上にバトルも長引くため一戦一戦が面倒臭く感じるように。
 
 前作から引き続きヒートアクションという爽快感のある必殺技と、相変わらず邪魔なだけのQTE要素で成り立っているバトルですが、今作は1・2のような素手ではなく剣がメインで、そのため、鍛冶屋で武器を強化・錬成する要素が加わり、ここは割と好印象でした。武器をひたすらお金で強化し、限界まで強化すると素材を用いて錬成(クラフト)し、次のランクの武器に改良するという作業を繰り返すため、龍が如くシリーズの豊富なサブクエストとも連動し、非常にプレイのモチベーション維持をアシストしてくれます。強力な武器を作ればザコ敵もサクサク倒せるようになり一石二鳥なのですが、問題はそのバトルシステム自体がもっさりして爽快感に欠けるため、どうしてもバトルは煩わしさのほうが勝ってしまう事。プラス、ヒートアクションを発動した際のド派手なモーションが長くなった点も、戦闘の緩慢ぶりに拍車を掛けてしまっています。
 
 1・2と異なり、ヒートアクション(必殺剣)が収集要素となり、そこら中のエリアにいる動物やイベントを見つけてはインスピレーション(天啓)を得て新技を会得できるのが楽しくついつい集めてしまったり、そのヒートアクションも近・中・遠距離で発動できたり、一刀・二刀流・大太刀というスタイルごとに用意されていたりと、かなり豪華で、基本の操作性さえもう少しまともなら2を凌駕するバトルシステムになれた可能性を秘めているのに残念です。
 
 
 

少なくない不満あれこれ

 
 まず、洛外町に同心が巡回していて、視界内に入ると「御用だ! 御用だ!」と言って追いかけてくるというシステムは本当にいらなかったです。「御用だ!」と言われながら追いかけ回される時代劇風アイデアを思いついてそのまま考えなしにノリで入れてしまったという安易さが露骨過ぎて、このシステムが何かゲームの魅力に貢献するという事が皆無です。龍が如くとは街を散策するのを楽しむゲームなのに、散策の楽しみを妨害する様なシステムを配するというのはこのゲームに対する冒涜に等しく、いい加減にして欲しいです。
 
 それと、1・2の登場人物の何人かがそのままの容姿で登場するため、ほとんど時代劇というよりも、コスプレ時代劇コントを見ている様な印象しか受けませんでした。ハッキリ言って宮本武蔵がなんとなく前作主人公の桐生一馬に似ている程度で後は全部オリジナルキャラで良かったのに、変に前作のキャラを出してしまったせいでおふざけ感が出てしまい、作品としてはマイナスに働いてしまったと思います。
 
 後、今作で最も酷いと感じたのは、冒頭の3時間に渡る強制回想プロローグではなく、尋常じゃないほどセンスがない、作品の余韻を破壊し尽くす、最低最悪な話の幕引きの仕方です。もし自分が龍が如くシリーズで最初にプレイしたのが今作で、このラスト周りを経験したら多分未来永劫このシリーズに再び興味を持つことはないであろうと思うほど酷いです。見たことを後悔させられる駄作の邦画を観終わった後の余韻に非常に近く、うすら寒さすら覚えました。こんな作り手の正気を疑うほどのダサい終わり方でプレーヤーに何かメッセージが伝わると本気で思っているなら、作り手は狂っています。
 
 ただ、このセンスのダサさは正直1・2でもちょこちょこ顔を出す瞬間がありました。この問題点は実は前々からシリーズに潜んでいたものでもあり、これまでは目立たなかっただけで、このセンスが今後また噴出することがあるのかと思うと不安でなりません。
 
 ここまで完膚なきまでにパーフェクトに超絶ダサくて痛いゴミ以下のラストは二度と御免です。
 
 
 

まとめ

 
 江戸時代初期の祇園の雰囲気をゲーム内で再現するという新しいことに挑戦する姿勢が窺える点は大好きですが、ダメな部分が信じられないほどとことんダメで、ほぼ序盤と終盤の出来の悪さにより評価が激落ちしているので、サンドイッチに例えると具はそこそこ美味しいのに、具を挟む外側のパンが両方腐っているような感じ。
 
 間違っても龍が如くシリーズで初プレイが今作という自体だけは何がなんでも絶対に避けるべきで、自分が一作目をやって感銘を受けた部分をほぼ真逆にひっくり返した様な出来で、一作目が良い意味で問題作だったのに、こちらはとことん悪い意味での問題作です。
 
 ・・・・・・ただ、ボンテージルックのインリン・オブ・ジョイトイに言葉攻めされる滝修行のミニゲームは最高でした!!
 
 
 
 
龍が如くシリーズ

 

 

 

龍が如く 見参!

龍が如く 見参!

 
龍が如く見参! PLAYSTATION 3 The BEST

龍が如く見参! PLAYSTATION 3 The BEST

 

 

アサシンクリード (映画) 〈感想・レビュー・評価〉

 

トレーラー

 
点数:60点
 
 

短評

 
 原作のブランドイメージを傷つけないように丁寧に映像化するのが目的化したかのような出来。原作を尊重しようとする意志は伝わってくるものの、作り手の資質が作品と噛み合っておらず、好ましくない結果に。
 
 
 

映像運動能力が低く、映画がパルクールできていない

 
 見る前はあのフードを被ったヘンテコな格好のアサシンをどのように映像作品内で違和感なく定着させるのか不思議でしたが、今作を見て唖然。まさか、アサシンを映像作品に寄せるのではなく、映画そのもののトーンをアサシンの風貌に寄せてくるという離れ業をしており、あまりにも強引過ぎる手法に呆気にとられました。
 
 このアサシンの風貌を映像の中で周囲から絶対に浮かせないよう全神経を注いでいることから、作り手が原作のゲームに敬意を表しているのがありありと窺えます。作品から受ける感触としてはデヴィッド・イェーツ監督に代わって以降のハリー・ポッターシリーズと酷似しており、美術ベースの硬質な演出タッチで、とても見やすい作りではありませんが、原作をやたら尊重し、美術周りにとことんこだわるタイプの監督が原作の映像化を手掛けるとこのようなアプローチになりやすいのかなぁと考えさせられました。
 
 とにかく、全編肩が凝りそうなほどガチガチに演出が硬く、しなやかさが皆無。パルクールで飛び回る映画なのにこの硬質さは相性が最悪もいいところ。しかも、編集がやたらせかせかしており、まるで改行だらけの芸能人のブログのような、隙あらばカットを割りまくる落ち着きの無さに辟易させられました。この編集のせいで頑張っているアクションシーンの緊張感はほとんど殺され、しかも現在の主人公と、アニムス内の過去のアサシンのシーンのカットバックがやたら多く、編集にイライラさせられっぱなし。
 
 ところどころちぐはぐな印象を受けるシーンもそこここにあり、アブスターゴの施設で目覚めた主人公が外を見ると俯瞰の映像になってこれ見よがしに巨大な施設が映るものの「この施設の巨大さは今の主人公の位置からは見えないよなぁ」とか、屋上からヘリが逃走するため飛び立つのを阻止しようとアニムス装置を駆け上り天井のガラスを割り(天井のガラスが簡単に割れることがそもそもおかしいですが)、ヘリへ肉薄するサスペンス展開になるのかと思いきや、ただ去っていくヘリを黙って見守るだけで「じゃあ、なんであんな凄い勢いでアニムスを駆け上ったんだろう?」とか、詰めが甘い部分がやたら目に付きます。全編俯瞰の映像がCG臭いのもノイズで、このせいでどれだけ美術を作り込んでも作り物感が拭えず、何かを頑張っても結局他の部分が足を引っ張るを繰り返し続け、ドラマが薄いのも相まって途中からほとんど作品に対する興味が失せてしまいました。
 
 アサシン教団のアサシンを描いているのに、まるでテンプル騎士団の資本で作られ、テンプル騎士の監修が入っているかのような窮屈さに支配されており、終始キツかったです。
 
 
 

まとめ

 
 原作への最大限の配慮は伝わってきますし、アニムスによって先祖のアサシンの身体能力を会得する流入現象も映像的にしっかり処理されており工夫は理解できますが、一本の映画としてはとても楽しめない編集オンチアクション映画。