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エンタメ不感症の患部に巻く包帯

好きなものについて語るブログ

ファークライ3(steam版)

80点 PCゲーム ゲーム

 

 

トレーラー

www.youtube.com

 
 
点数:80点
 
 

メモ

 
日本語化してプレイ
フルHD(1920×1080)、映像設定はウルトラ、60fpsでプレイ
 
 
 

短評

 
 クリアまで約20時間超ほど。UBIのオープンワールドゲームらしくシステムのインセンティブ(報酬)が弱めだが、ノリのいい作風と、テンポの良さを絶対の方針としたようなシステム周りの相性が抜群で非常に優れたバランスに仕上がっているアクション特化型のオープンワールドステルスFPS
 
 
 

インセンティブ不足を操作の快楽性で強引にカバー

 
 UBIやロックスターのオープンワールドゲームは、ベセスダのエルダースクロールズやフォールアウトなどのような自由度の高い成長システムなど、プレイのモチベーション維持をサポートしてくれるような強力なインセンティブ要素を実装しているワケではなく、どうしてもプレイ中はストーリーを追うだけでシステム的には物足りなさが付き纏うのですが、しかし今作はオープンワールドにしては破格な操作性の良さから来るシューターとしての魅力が強力で、相変わらずのインセンティブ不足をやや強引にステルスアクションやシューティングの楽しさがカバーしているのが特徴的です。植物の採取や野生動物の狩りと連動させた手軽に出来るクラフトは好印象として、ほとんどアクションの強化と拡張に特化したような深みも自由度も選ぶ喜びもさほどないスキルツリーも、バリエーションが乏しいカスタマイズパーツを装着するだけで今一つ物足りない武器カスタマイズ要素も、本来なら不満点としてカウントされそうなものですが、今作に限っては辛うじて優秀なアクション部分を補助するような働きをしているためインセンティブ不足を誤魔化せているといった印象です。
 
 今作は徹底的にテンポの良さを追求し、かつ管理されており、ファストトラベルも乗り物移動も、ステルスも銃撃戦も全ての要素がもたつかずに行われるためゲームプレイに躍動感の様なものがあり、息をつかせる瞬間がほとんどありません。話を進めるためのメインミッションをこなしつつ、UBIのオープンワールドゲーム(アサシンクリードなど)ではお馴染みの高い場所(今作では電波塔)に昇り、マップに精細な情報を表示させる要素、もしくは敵の占拠するアジトを襲撃し全滅させ、ファストトラベル用の中継点(ウェイポイント)とし活動範囲を徐々に広げる、という非常に分かりやすいプレイ目標も設定されており、次に何をすればいいのか迷いが生じる隙を与えません。
 
 
 

オープンワールドの贅沢さが味わえる地形演出

 
 自分がオープンワールドのゲームをやっていて最も贅沢だと思う瞬間は、目指している場所がかなり遠方にあるのにも関わらず展望が良くハッキリと視認でき、そこに確かにあるんだという存在の質量を感じ取れる時です。目標となる場所と今いる地点がエリアチェンジで断裂されておらず、地続きで繋がっているということに喜びを覚え、その感情があの場所まで何とか辿り着きたいという欲求に転化されます。
 
 今作では、マップに精細な情報を表示させるために昇る電波塔が遠景でも存在感を放ち、舞台となる自然豊かな島に彩りを添えています。
 今作は高い場所から乗り物扱いのハンググライダーや、後半はいつでも自由に使えるウィングスーツで滑空させたいためか、高低差がかなり激しいような地形をしているのと、自然豊かな無人島に電波塔という人工物は良い意味で場違いで目立つため、高所に建てられているそれが非常に目立ち、存在感を発しています。
 この地形デザインのおかげでうまく高い場所に聳え立つ電波塔へ意識が吸引され、その堂々たる景色から目を離すのが勿体なく感じられるほど。
 
 最初は高い場所にプレイヤーの意識を集中させ、電波塔を昇り終えると次に周囲の低い場所へ視線を誘導するという視線誘導テクニックの手並みも鮮やかで、ここまで地形の魅力的な見せ方に感心させられたオープンワールドゲームは初めてです。
 
 
 

作品のトーンとシステムを同期させる偉業

 
 デウスエクス/ヒューマンレボリューションをプレイした際に主人公が機械化した体に慣れていくという設定と、プレイヤーがシステムに順応していく感覚がリンクして、スキルツリーで能力解放されていく過程に一体感を覚えましたが、今作もノリの良い作品トーンの器たるシステム自体がまるで編集が抜群の映画か、コンテが優れたアニメ、もしくは漫画のハンター×ハンターの気持ちのいいコマ割りや語り口を味わうかのようなテンポの良さで内容と同期しており心地良いです。このような表現したい内容(物語・舞台・雰囲気)と表現手法(システム)が同期すると、好ましい相乗効果が生まれ、ゲーム体験をより味わい深いものにしてくれます。
 
 自分はオープンワールドやらステルスやらFPSやらというジャンル的な満足度よりも、このようなシステムとゲームのトーンが溶け合っている官能的なゲームデザインを堪能できることが何よりも喜ばしいので、これが味わえただけでも満足です。
 
 
 

不満あれこれ

 
 特に不満らしい不満もありませんが、プレイ中何度も困らされたのは遠くの動物や人にトドメを刺した際、下が背がやや高いような草だと死体が隠れて見失ってしまい、動物の皮を剥いだり、アイテムを回収できなかったことが多々あったこと(倒した敵を見失うということはフォールアウトでも普通に起こることなので、今作というよりもアイテム未回収の敵を目立たせる工夫をしないゲーム全般の問題点かもしれません)。
 
 後、やはりUBIのオープンワールドゲームだけにインセンティブとして機能するシステムが貧弱で、物語を進行させるという動機づけが無くなると、途端にやる気が激減してしまう、システムよりもアクション頼りな作りなのもいつも通り。
 
 
 

まとめ

 
 ゲーム自体は良くも悪くもかなりさっぱりしており、強烈に記憶に刻まれるというタイプの作品ではありませんが、プレイヤーを楽しませることだけに特化して作られているため、アクション要素以外のシステムの貧弱さに目を瞑れば面白さは折り紙付きです。
 
 
 

余談

 
 イーライ・ロス監督の映画からの影響が非常に強く、監督作の“ホステル”や、役者としての出演だけで監督はしていないですが、ほとんどイーライ・ロス作品と同じアプローチの“アフターショック”を見ておくとより今作のコンセプトが明解に理解できるかと思います。
 
 
 

 

 
 
ファークライ3 日本語版

ファークライ3 日本語版

 

 

 

アフターショック Blu-ray

アフターショック Blu-ray

 

 

Submerged(サブマージド)(steam版)

70点 PCゲーム ゲーム

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トレーラー

www.youtube.com

 

点数:70点
 
 

短評

 クリアまで約3時間ほど。アクションアドベンチャーとしてはただの凡作だが、プレイヤーに姉弟の背景を自然と想像させる様なシンプルながら丁寧でセンスの良いストーリーテリングが魅力的。
 
 
 

少女を乗せたボート(漁船)は不穏さを推進力に水没都市をゆく

 
 低価格のインディペンデントゲームだけにグラフィックや操作性はとてもフルプライスゲームと比較にはなりません。それでも舞台となる水没都市にはしっかりと表情があり、昼には陽光が降りそそぎキラキラと輝く水面に癒され、一転夜の墨汁を垂らしたような薄気味悪い暗い海は自然への原始的な恐怖を呼び覚まします。
 
 美しさと不気味さが紙一重のバランスで成立している背景には非常に分かりやすく上田文人作品(特にワンダと巨象)の影響が垣間見られ、特に怪我をして瀕死の弟をベッドに寝かしつけ、その場所をベースとして周囲を探索するという作りがいくらなんでもワンダ過ぎるきらいもありますが、水没都市という独自の舞台が魅力的なので気にしないことに。
 
 ゲームは水没都市を探索→弟を助けるための物資がある建物を発見→ひたすら高い建造物をよじ登り物資を回収→また探索・・・・・・と、延々このワンパターンの繰り返しのため、正直最初は刺激に乏しく単調極まりない作業ゲーのような印象を受けました。
 唯一水没都市のあちこちに少女が乗るボートの加速用のブーストゲージを増やすためのパーツ(壊れたボート)が点在しこれを発見できるとやや嬉しい程度で、とてもアクションアドベンチャーとして及第点の面白さには達していない・・・・・・のですが、物資を回収するとオープンされる最初はなんのこっちゃ分からない子供が描いたようなヒエログリフっぽい記号的な絵がそこそこ集まってくると状況が一変することに。
 
 実はこの絵が姉と弟がこれまで辿ってきた経緯を説明したものだと分かった瞬間、今作に強烈な物語が立ち上がります。なぜ二人は漁船に乗っているのか、なぜ弟は大怪我をしているのか、なぜ姉はそこまで弟に献身的なのか、多くの謎が物資を回収するごとにオープンされていくため、ぐっとサスペンス要素が増し、話の先が気になって仕方がなくなります。
 
 二人がこうなった経緯が分かると、物悲しさを湛えたようなBGMが実は姉の贖罪の意識を反映しているかの様に聴こえたり、体が徐々に変色していくのも罪の意識が体を蝕んでいるように見えたりと、この作品の景色そのものが変質する事態に。プレイヤーに対して一切説明的なことをせず、ただ子供の描いたような絵を見せるだけで頭の中に子供たちの過去を想像させてしまうストーリーテリングの巧みさに頭が下がりました。
 
 この想像力を掻き立てる手法から頭に浮かんだゲームが、こちらは兄が妹を探すLIMBO(リンボー)でした。
 
 もしかしたら体が蝕まれていく姉の瞳に映るこの美しくすらある水没都市は、リンボーで妹を探すために兄が見たような地獄巡りの舞台と近いものなのではないかと考えさせられたり、プレイ中はあれやこれやの想像が止まらず、非常に密度の濃い物語体験を味わえました。
 
 

まとめ

 
 アクションアドベンチャーとしては凡作ですが、物語体験としては強く印象に残るステキな作品です。
 
 
 
 

 

賭博黙示録カイジ(漫画)

漫画 90点

 

点数:90点
 
 

「目を覚ませ・・・・・・でないと手遅れになるぞ!」と漫画で警句を発し続ける、通過儀礼の作家福本伸行

 
 非現実的な空間やシチュエーションの中で極限状態を疑似体験させるデスゲームやそれに近いアプローチの作品は多々ある中で、カイジシリーズはそれらジャンルの得意とする手に汗握るサスペンス性よりも、むしろ作者の愚直なまでの「真剣に生きろ!」という誠実な訴えの印象のほうが強く残ります。
 
 ギャンブルを通じて己の心の弱さや甘えと向き合い、毎日を無為にダラダラと消費するように生きている実情に気づかせ、人生に真剣さを取り戻させる・・・・・・カイジシリーズにとってギャンブルは勝つことが目的ではなく、そのプロセスで己と向き合い、甘えを脱皮しなければならないということに気付かせる試練の役割を果たしています。
 
 “伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!”という、ゲストが自分の思い入れのある映画を紹介するという趣旨のラジオ番組に福本伸行先生がゲストとして出演した際に選んだ映画が黒澤明監督の“生きる”でした。
 
 
 映画評論家の町山智浩さん曰く“生きる”はイングマール・ベルイマン監督の“野いちご”同様、晩年に過去を思い出していく過程で自分の人生が無意味だったことに気づくという内容のトルストイの“イワン・イリッチの死”が元ネタの映画だそうです(“イワン・イリッチの死” から直接の影響は無いでしょうが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の“バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)”も似たような題材)。
 
 
 
 これらの作品で主人公に精神的な死と再生をもたらす老い(寿命)や癌(病気)という逃れられない運命を試練と解釈し、命を懸けたギャンブルに置き換え、それを乗り越えることで何も晩年まで待たずとも死と再生の通過儀礼とする・・・・・・“生きる”という映画に衝撃を受け、その受けた衝撃をそのまま自分なりに作品へ落とし込み次の世代へ伝えたいという衝動が福本伸行という作家の原動力であるなら、福本伸行作品を読んで影響を受けた自分にとってはカイジという作品はまさしく福本伸行先生にとっての“生きる”と同じでした。
 
 漫画を通じて魂のメッセージを読者に届けるという勝ち目の薄いギャンブルに興じる様は、福本作品の主人公たちの行いに通じる部分があり、その生き様がより作品に凄みをきかせる勝因になっているのだと思います。
 
 

 

賭博黙示録 カイジ 1

賭博黙示録 カイジ 1

 

 

生きる [Blu-ray]

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サンクタム(Steam版)

75点 PCゲーム ゲーム

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システム紹介

 

点数:75点

 
 

短評

 
 タワーディフェンスFPS要素(アクション性)と簡易的なミニスケープ要素(マップ内に好きにオブジェを配置できる自由性とパズル性)を足すというコロンブスの卵的な発想が素晴らしい。ただ、中毒性は強いもののプレイが間延びしがちで作業感が強めだったりと不快な方向の中毒性を発揮してしまっており、プレイ後の後味が悪く、手放しでは褒められない作品。
 
 

敵の進行ルートをプレイヤーが管理できるなんてなまいきだ。

 
 同じくタワーディフェンス的な要素を持つ“勇者のくせになまいきだ。”のように、敵の進行ルートをプレイヤーが管理しながら、ルート上にトラップ(タワーや床)を設置してそれらをコンボさせていくというパズル的なコンボ要素が強く、この楽しさが尾を引き、ゲームを止めた後もしばらくは頭の中でコンボをあれこれ考えてしまうほど癖になります。
 
 勇者のくせになまいきだ。もコンセプトは面白いのですが、ややランダム要素が強めで、コチラが期待する様な効果をうまく発揮してくれずもどかしさを感じる局面が多々ありましたが、こちらはそのようなランダム性を排し、プレイヤーが介入するアクション要素を盛り込んだためサプライズ的なことが起こらない代わりにほぼプレイヤーの想像通りの結果を叩き出してくれ、自分的には今作のほうがより肌に合いました。
 
 

ミニスケープ的な要素という魔法のスパイス

 
 タワーディフェンスというジャンルは、プレイヤーが行えることを簡略化することによって取っつきやすいという長所と、それによってプレイの幅が狭くなり、非常に作業化・マンネリ化しやすいという短所があります。今作はアクション性を取り入れたり、パズル性のあるミニスケープ的な要素でプレイヤーに思考を促したりで、やや取っつきやすさを犠牲にしつつ短所であるマンネリを抑制する様なバランスになっており、ジャンルそのものの弱点を認識しながらそれを克服し、タワーディフェンスというジャンルの持つポテンシャルをフルに引き出そうという姿勢が窺え、感心させられました。
 
 敵を観察しながら敵ごとに設定された弱点を突くようにマップ内に自由にブロック(タワー)を設置し、それらをコンボさせるというアプローチはタワーディフェンスジャンルの持つ長所である取っつきやすさをなんとか維持しつつ、弱点である戦略性の薄さをカバーする働きもこなし、好印象でした。
 
 ただ、問題はアクション性のほうで、これはタワーの設置の仕方がうまくできず、敵の弱点を突くようなコンボになっていなくても無理矢理にプレイヤーが介入して敵を撃ちまくるという力技で解決できてしまうため、やや本作のパズル性に対して本末転倒な感もあります。
 
 今作の良くできたパズル性のあるシステムに慣れれば慣れるほど、敵をコンボではめて倒す快感に対して、強引に解決できてしまうアクション性は逆に作業感が強く、マンネリ回避のための刺激や、タワー設置の際の些細なミスを人力でカバーできる機能は果たしていますが、アクションそのもので楽しませてくれるというレベルには達していません。欲を言えば二段ジャンプやブーストダッシュ機能などを入れてもっと高速にフィールド内を駆け巡れるような爽快感が欲しかったです。
 
 

少なくない不満あれこれ

 
 今作は確かに中毒性が強いのですが、密度の濃いゲーム体験であっという間に時間が経ってしまうという良い中毒ではなく、やたらセッティングに時間が掛かったり、単調でテンポの悪い敵のウェーブ量の多さでプレイ時間が水増しされていたりと、ややプレイ後に時間を損したようなダウナーな後味に陥りやすい作業感が強めの不快な中毒性です。
 
 プレイヤーが操作するというアクション性が強いのとCo-opに対応しているためか、タワーディフェンス系のゲームにはほとんど標準装備されている様なプレイ速度を早めるという機能が無く、タワーディフェンスジャンルの持つ最大の弱点である同じ場所から敵がワラワラと湧いてくるのを処理するだけという単調さが露骨に剥き出しになる瞬間が多く、勿体ないところ。
 
 後、元々敵のヘルスバー(HPゲージ)が細くて見えづらいことプラス、なぜかプレイヤーが銃撃して与えるダメージ量は可視化され表示されるのに、タワーで与えたダメージは表示されないため一体タワーがどれくらい敵にダメージを与えているのかが非常に分かり辛く、このせいでタワーのアップグレードをしてもいまいち効果が実感し辛い面があります。これはプレイのモチベーションに直結してくるためなぜタワーが与えるダメージ量を分かりやすくしなかったのか理解に苦しむところ。
 
 

まとめ

 
 根本のアイデアは非常に素晴らしいのですが、バランス調整部分に不備が多く、プレイが間延びしてゲームに時間が吸われるような不快な中毒性を持ってしまっており、そこが悔やまれる限り。
 
 ただ、タワーディフェンスというジャンルにはまだ秘められたポテンシャルがあり、アイデアと工夫次第で伸びしろが幾らでもあるという可能性を見せて貰えたので大変満足でした。
 
 
 

How to Survive(ハウツーサバイバル) (Steam版)

80点 PCゲーム ゲーム

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トレーラー

 

点数:80点

 
 

メモ

 
フルHD(1920×1080)、映像設定はウルトラ、60fpsでプレイ
 
 

短評

 
 クリアまで6~7時間。非常にコスパの高い見下ろし全方位型クラフトサバイバルゾンビアクションシューティングRPG。低価格ながら、クラフト・サバイバル・スキルツリーなど一通りのシステムが過不足なく完備されており、フルプライスゲームにも引けを取らない中毒性を発揮してくれる良作ゾンビゲー。
 
 

シンプルながら魅力が溢れるクラフト

 
 今作は低価格ゲームなだけにフルプライスに比べるとボリュームが少な目ですが、その分テンポよく次から次に強力な武器がクラフト可能なため、ダラダラとした箇所がある大作ゲームよりも、むしろ密度が濃い印象すら受けます。
 
 マップに無造作に落ちている一見役に立ちそうもない、どのような用途に用いるのか不明瞭なアイテムがクラフトで意外な組み合わせをさせることで有用なアイテムに生まれ変わるのはそれ自体がDIY的な手作り感があり楽しいです。
 
 クラフトは一部の加工する様なアイテム以外は一度素材同士を組み合わせて別のアイテムにしても、いつでも組み合わせを解除して素材の段階まで戻せるという便利なシステムのおかげで失敗という概念がなく、非常に快適。
 
 シンプルながら抜群の面白さの武器クラフトもさることながら、ブーメランなど何度でも使い放題の武器だと連射が不可能で敵が多い場合対処し切れず、弓矢は銃ほど使い勝手がよくないものの矢を回収できるため節約に向き、銃は強力ゆえにあっという間に弾切れするなど、弓矢や銃の残弾確保、チェーンソーの燃料管理など、一度作った武器を運用していく作業にも常に心地よい集中力を求められ続け、巧みなゲームバランス調整に感心させられます。
 
 ただ、持てるアイテムの絶対量が少ないということがせっかくの楽しいクラフトシステムの足を引っ張っており、やや不満。
 しかも、ハクスラ系のRPGにあるような、
 
アイテムをたくさん拾う→放出する(売る・預ける・消費アイテムに変換)→身軽になってまた拾う
 
など、溜まったアイテムを気持ちよく処分して身軽になるというサイクルがないため、慢性的にアイテム量が上限いっぱいのままで、何かを拾おうとすると常に何かを捨てる必要に迫られるため、もっと気持ちよく物を拾わせて欲しかったです(アイテムを捨てても消えずに残りますが、初回プレイ時は本当に消えてしまわないか不安で持ち歩いてしまいます)。
 
 

夜を生き抜け!

 
 ゾンビが闊歩しているのにも関わらず昼はのどかですが、夜になると一変。音楽は不気味になり、視界が悪く落ちているアイテムはほとんど見えず、ゾンビと違い常にプレイヤーを追跡してくる敵が出現するなど、同じマップでも昼夜でまったく印象が変わります。
 
 これにより確かに夜が明けると敵の襲撃から解放されほっとするというプラスな効果もあるにはあるのですが、それよりも何も見えないという視界の悪さのストレスのほうが強く、正直夜が鬱陶しく感じます。夜にしか見えないアイテムがあるとか、夜にしか発生しないイベントがあるとか、わざわざ夜に出歩くことにインセンティブ(報酬)を設定しないと、現状ではただのストレス源にしかなっていません(スキルを獲得すると夜に敵を倒すと経験値量が上がる程度)。
 
 セーフハウスで睡眠を取ると一気に時間が進むため、夜が訪れたら近くのセーフハウスで眠りたいのですが、わざわざ夜に出歩かせたいのか一定量疲労していないと眠れないというシステムのため、疲労していない場合夜を回避する術がなく、夜が来る度にじっとしているのも時間の無駄なので視界の悪い中マップを探索し、その都度ストレスが溜まり嫌になります。
 
 のどかな昼と過酷な夜の対比は非常にメリハリがあり好ましいのですが、これはプレイヤーがうっかり時間を気にしないでマップ内を探索していたら夜になってしまい酷い目に遭う程度に留めておけば良かったものの、セーフハウスにいるのに夜をやり過ごせないというのは勘弁してほしいです。夜そのものではなく、ゲーム内時間を意識させ「うかつに出先で夜になったら大変な目に遭う」という緊張感のほうをむしろ際立たせて欲しかったところ。
 
 

不満あれこれ

 
 パッドだと右スティックを敵方向に倒すとブーメランや弓、銃などで敵をロックオンできるのですが、これがスティックということもあるのか非常にロックオンが緩く、しょっちゅうロックオンが外れ弾が明後日の方向に飛んでいく事態が多発し、ストレスになります。
 
 後、不満とはやや異なりますが、遠距離用の武器と近接用の武器は両方同じ攻撃ボタンで攻撃するため、武器交換ボタンで切り替えるのですが、持ち替えたい武器に瞬時に持ち替えるのにややコツがいり、これが慣れるまでは大変です。敵群の中には、遠距離用の武器で倒さなければならない敵と、チェーンソーなど近接武器で倒すと楽な敵などが混じっているため、敵の種類ごとに瞬時に遠距離用と近接用の武器を持ち替えなければならず、これが大量の敵に囲まれていて焦っている時などは高確率でミスを連発し、敵にダウンさせられると無敵時間が短いことも祟ってそのままなぶり殺しにされる局面が多いため、遠距離用の武器と近接用の武器を差別化し、攻撃ボタンを分けるなどしてくれたらありがたかったかも。
 
 

まとめ

 
 細かい不満も多いですが、基本は楽しくクラフトしてゾンビを殺戮しまくる爽快感溢れるゲームなので、プレイしている最中は欠点はそれほど気にはならず、ずっと幸せな気分に浸りっ放しです。
 
 
 

デッドスペース3(Origin版)

80点 PCゲーム ゲーム

 

トレーラー

 

点数:80点
 
 

メモ

 
・日本語化してプレイ
フルHD(1920×1080)、映像設定はベリーハイ、60fpsでプレイ
 
 

短評

 
 ホラーシューターだった1、2からホラー要素を減らし、クラフトシューター化したおかげで、作品としての高級感は減ってしまったものの、中毒性を獲得することに成功した。クラフト要素の作り込みが甘くまだシステム的に発展途上感が否めないが、武器クラフトによりもたらされるシリーズ中屈指の中毒性は圧巻。
 
 
 

「そんな、デッドスペースが駄作に・・・・・・あれ?」

 
 まず初めにプレイ開始直後ネクロモーフ(シリーズお馴染みの敵クリーチャー)ではなくこれまでは無かった人間との撃ち合いになり、そのあまりの出来の悪さにバイオハザード6をプレイした時と似たような「また名作シリーズが駄作になり果ててしまったのか・・・・・・」という再度の絶望感を覚えましたが、徐々に自分の早合点だったことが分かりほっと胸を撫で下ろしました。
 
 これまでネクロモーフとだけ戦っていた前シリーズとは異なり、バイオハザード4以降のような対クリーチャーと同時に対人の銃撃戦要素も加わり、これが対ネクロモーフの切断を重視するという独特な戦い方を追及してきたこれまでのアプローチと食い合わせが悪く、ただ無理矢理に対人戦をねじ込んだ強引さだけが浮き上がるだけで、これをいきなり序盤から体験させられ今作に対する印象が最悪な状態からスタートするという紛らわしさがあります。
 
 敵が投げたグレネードをキネシス(物体を引き寄せたり飛ばしたりするシステム)で相手に投げ返すといった独自の面白味もあるといえばありますが、対人銃撃戦の出来の悪さは本当に酷いの一言。パッドでプレイしていると、今作から対人戦を想定してか右スティックを軽く押すとしゃがむという動作が追加されたせいで、シリーズお馴染みの右スティックの押し込みでロケーター(ナビゲーションシステム)を起動しようとすると間違ってしゃがんでしまう誤動作まで起こる始末。
 
 カバーもリーンも何もない対人の銃撃戦周りの酷さにプラスして、多分武器クラフトシステムの影響か、デッドスペースの肝でもあったネクロモーフの部位を切断していく際の切断感の手応えが後退し、鋭利に切断しているというよりもただ千切れているだけのような感触になってしまったのも残念。
 
 ただ、システム周りの酷さに対し操作性だけは相変わらず抜群にいいので、そういうものだと割り切れば何とか我慢は出来る程度の欠点ではあります。
 
 

作り込みが甘いクラフトシステム

 
 これまでアイテムを買う際に使用していたクレジット(お金のようなもの)をリソース(資源)という概念に置き換え、この複数ある資源を消費し、武器や武器に装着するパーツ、弾薬(今作から全武器の弾薬が一元化された)や回復アイテムをクラフト(作成)するというシステムが追加されました。
 
 ゲームの序盤は前作の2から引き続きレスポンスの良い抜群の操作性も相まって、非常にゲームのテンポが速く、その怒濤のテンポ感に押し流されるが如く進むため、欠点などほとんど目に留まりませんが、中盤から徐々にシステム的に息切れをしだし、これまで気にならなかった欠点が浮き彫りになり始めます。
 
 まず、クラフトゲームに必須な新しいアイテムをクラフトした際の喜びが希薄な点。これは、資源がただマップのそこら辺に落ちているだけだったり、湧いてくる敵を倒すと機械的にドロップするだけだったりで、プレイヤーが能動的に欲しい資源を狙って入手できないという入手プロセスの不備が大きな要因です。
 
 例えば、同じくクラフトアクションゲームであるモンスターハンターでは、鉱石を入手したければピッケルを持って岩場の採掘ポイントを探したり、虫を捕まえたかったら虫あみを用意して採取ポイントを探したりと、プレイヤーが欲しい資源を能動的に収集できますが、今作はプレイしているといつの間にか資源が溜まっているだけで、クラフトしたいアイテムから逆算して資源集めをするという楽しみがありません。
 
 資源の入手に苦労するというプロセスを経ていないため武器やパーツ、アイテムのクラフト、資源を消費してのスーツ強化などの際に、特に何かを選ぶとそれ以外の何かを諦めなければならないという葛藤がさほど生じず、複数ある候補の中で何をクラフトするか選ぶということに緊張感もなし。
 
 クラフトとはレアなアイテムを手にする瞬間を思い描きながらせっせと材料集めをする苦労によってこそ輝きが増すもので、レアなアイテムの入手それ自体で喜びが生じるワケではありません。
 
 モンスターハンターの様に苦労して大型モンスターを狩っても、得られる素材は僅かで、その素材を使って武器や防具をクラフトする際はどれか一つに絞らなければならない、といった苦渋の選択を強いられることがないため、結果アイテムをクラフトしても達成感が薄く、お金をマネジメント(やりくり)していた過去作とさほど印象が変わらない結果に。
 
 スカベンジャーボットという、マップ内の特定ポイントに任意に設置すると資源を自動で収集してくれるというシステムもありますが、これも存在理由がよく分からず、こんなどうでもいいシステムにするくらいなら、プレイヤーが欲しい資源を指定して探させるといった至極真っ当なものにして欲しかったところ。
 
 ただ、武器クラフト要素は非常に魅力的で、フレームの上段ツールと下段ツールにそれぞれ好きな武器を装着できるという自由度が生まれたため、上段はマシンガン、下段はショットガンや、上段は遠距離攻撃用の武器、下段は接近戦用の武器といったように、プレイヤーがあれこれ試行錯誤して武器の組み合わせを考えられるようになりました。割と序盤から武器カスタマイズ用の高性能なアップグレード回路が簡単に手に入ってしまい、武器性能があっさり限界に達してしまうという問題もありますが、この点は過去作の固定武器を強化していくタイプよりも格段に進化しており、今作の中毒性に大きく貢献しています。
 
 

不満あれこれ

 
 Co-opが追加されたことの影響か、これまではセーブポイントでプレイヤーが任意のタイミングでセーブ可能だったのがチェックポイントでのオートセーブとなり、このせいで次のチェックポイントまで進まずに途中で中断してしまうと、中断した際のアイテムだけ持ち越してかなり手前のチェックポイントからやり直しさせられたりと、毎回止めた箇所と再開する箇所が微妙にずれ、面倒な点。
 
 後、今作から明確に接近戦用の武器が追加されたためか、やたらネクロモーフの動きが速くなり、四方八方から接近され肉薄した状態で囲まれる事態が多発し、そのせいで戦闘がぐちゃぐちゃになりがちで、ここまで毎回戦闘が激しすぎると、繊細な演出を必要とするホラー要素は相殺されてしまい、プレイ中恐怖を感じる瞬間はゼロに近いです。
 
 

まとめ

 
 要素を足そう足そうとした結果システムが足し算的になってしまい、バランス調整が大きく歪んでしまった感はありますが、それでもテンポの良さや、新要素の武器クラフトの魅力で初回プレイ時はクリアまで退屈さを感じさせることはない圧倒的な密度で楽しませてくれます。
 
 

 

DEAD SPACE 3 ※英語版

DEAD SPACE 3 ※英語版

 

 

Dead Space 3  (英語版) [ダウンロード]

Dead Space 3 (英語版) [ダウンロード]

 

 

メダル オブ オナー/ウォーファイター(Origin版)

75点 PCゲーム ゲーム

 

トレーラー

 

点数:75点
 
 

メモ

 
フルHD(1920×1080)、映像設定は中、60fpsでプレイ
・オフ専のためキャンペーンモードだけプレイ
 
 

短評

 
 前作のメダルオブオナー(2010)とは同じシリーズと思えないほどの進化を遂げ、堂々とした風格に。やや単調さが弱点ではあるものの、キャンペーンモードの出来は平均的なFPSシューターの中でも高めな部類。
 
 
 

BF+CoD=中度いいバランス

 
 バトルフィールド3と同じゲームエンジンのフロストバイト2で作られているため、ほとんどバトルフィールドシリーズとそっくりですが、ミッションの雰囲気はコールオブデューティにやや近く、丁度これらのシリーズを足して二で割ったようなバランスの良さです。コールオブデューティのモダンウォーフェアやブラックオプス的な特殊部隊感とバトルフィールドのリアリティのある銃器描写が合わさり、シューター系のゲームではどちらかと言うと軍隊感というよりも特殊部隊感を味わいたい自分としてはかなりどんぴしゃに近い内容でした。
 
 前作のメダルオブオナー(2010)はXbox360版をやり、今作をPCでプレイしたからということもあるのでしょうが、操作性が桁違いに向上したことで、ほとんど別のゲームをやっているかの様な劇的な進化っぷりに驚かされます。どうしてもグラフィックや挙動のリアルさで言うとバトルフィールドには及びませんが、バトルフィールドのキャンペーンモードはいつもどこか突き放したような無機質な印象なのに対して、コチラはコールオブデューティのようなプレイヤーに対するサービス精神大盛りな作りで、自分的にはプレイしている最中の没入度でいうとバトルフィールドシリーズよりもコチラが断然上でした。
 
 敵をヘッドショットで倒すと画面にヘッドショットで倒した旨を知らせるアイコンが表示されたり、便利で気持ちいいスライディングが使えたりという前作の長所だった部分は引き継がれ、前作では酷かったリーン動作などはしっかり改良され遥かに使いやすくなっていたりと、操作周りの快適性はもはや前作とは別次元となり、動かしているだけで快感です。
 
 

舞台がオーソドックスな転戦型に

 
 前作は最初から最後までアフガニスタンだけの話で、舞台が固定だったのに対し、今作はよくあるミッションごとに世界中を飛び回り舞台が移っていくタイプに。前作をプレイした際はずっとアフガニスタンでのミッションが続くため、途中から飽きが来て、不満が多かったのですが、これが不思議なもので、今度は世界中を飛び回ると前作の舞台が固定されていたほうが話し運びが落ち着ついていて良かったなと感じてしまいます。
 
 前作のキャンペーンモードはお世辞にも出来が良くありませんでしたが、舞台を一カ所に固定してその場所を徹底的に掘り下げていくというスタンスは継承して欲しかったです。スペックオプス:ザ・ライン的に後戻りできないほどにその土地や事件の暗部に踏みいり、最初と最後で舞台に対する印象が決定的に変わるなどの方向性にしたほうが、もっとコールオブデューティバトルフィールドなど、非常に印象が似通ったシリーズと明確な差別化が図れたはず。結局実際に起こった事件を元にしたという断片的なエピソードが並列されて語られるだけで、ただのスケール感やけれん味の薄いコールオブデューティのようになってしまった感もあり、前作のアフガニスタンが懐かしく思えるほど。
 
 

不満あれこれ

 
 前作で非常に好みだった武器交換ボタンを素早く二回連続して押すとメインの二つの武器とは独立したサイドアーム(ハンドガン)に瞬時に切り替わるというシステムがなくなり、ハンドガンもメイン装備の一つとして組み込まれてしまいガッカリさせられました。このためアサルトライフルサブマシンガンをリロードするよりもハンドガンに切り替える方が速いというFPSではありがちなのにうまく機能しているのをほぼ見たことがないシステムをうまく機能させていた前作の良さが無くなってしまっています。それに、なぜか落ちている武器を拾い他の装備に変えようとすると勝手に拾った武器を捨ててしまうという謎の仕様に変更されたせいで、プレイヤーが持ち運ぶ武器を決めることができず常にメイン武装を使い続ける羽目になり、もはや落ちている武器を拾えるというシステムに意味すらなくなっているのも残念。
 
 チェックポイントの間隔が長めなのもやや気になり「あそこくらいから再スタートかな」と思っていると、その地点の遙か手前からやり直しさせられ、しかも一つ一つのシークエンスが長めなことも相まって、ようやく長い時間掛けて敵を全滅させたのにちょっと進んだところでうっかり死んでしまい、また長い長い銃撃戦を一から繰り返させられるという事態が頻発するのは若干ストレスが溜まります。
 
 後、不満というかこのシリーズ特有の癖というか、非常にアメリカ軍のプロパガンダ色が強く、コールオブデューティのようにアメリカ軍と殺し合ったりするもの(モダンウォーフェア2)、アメリカを批評的に描くアプローチなもの(ブラックオプス2など)に比べるとイデオロギー的に単純に見えてしまい、その性でシリアスな感じのドラマがやりたいのでしょうが、やや深みや厚みにかけて見えてしまうという問題も生じています(コールオブデューティで言うとゴーストのような単純さ)。
 
 

まとめ

 
 距離をとって睨み合いながら銃撃戦をするというシチュエーションがやたら多く、単調さを感じる部分も少なくなかったですが、前作から大幅に改良された操作性の良さがマイナス分を補い、結果的には非常に満足度の高いキャンペーンモードでした。
 
 

 

メダルオブオナー ウォーファイター

メダルオブオナー ウォーファイター

 

 

 

ホットラインマイアミ(PS3版)

90点 PS3 ゲーム

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トレーラー

 

点数:90点

 
 

短評

 
 斬新さに加え、欠点らしい欠点が一つも見あたらないという堅実さも兼ね備えた死にゲーアクションシューティング。良いストレスを厳選し、悪いストレスを排除することに成功した大傑作中の大傑作。
 
 

目に、耳に、記憶に、べっとりと血の様にこびりつく鮮烈なゲーム体験

 
 国産ゲームが無理に面白くしようとして要素を重ね、足し算的になりがちな傾向にあるのに反して、面白さを追及するよりもつまらなさを回避し引き算的になるという海外のゲームで多く見られる傾向のお手本の様なゲームデザインで、その完成度の高さに度肝を抜かれました。
 
 シンプルなルール、徹底してプレイヤーに与える情報を抑制し想像力をかき立てるシュールレアリスティック的でもあるストーリーテリングやビジュアルが高次元で融合し、見た目はスーファミレベルのグラフィックなのにも関わらず、それで表現的に到達可能と思われる領域を遙かに飛び越え、訴えてくる力があります。
 
 ゲームから漂う不穏さがよからぬことが起こりそうな未来を示唆し、そのただならぬ気配を察知してプレーヤーは常に緊張を強いられ、その緊張感をゲームへの没入度へ転化させることで死にゲーをやる際に必須な集中力や観察力を研ぎ澄まさせる役割も担わせるという、設定や雰囲気作りをゲーム性と乖離させない隙の無さも見事。どのマップも常にゲームフィールドであると同時に物語の舞台でもあり続け、つまらないと感じる瞬間が一秒たりともありませんでした。
 
 

ゲームにおける運や不規則性の大切さが分かる

 
 自分は運などのランダム要素よりも堅実なレベルデザインやバランス調整のほうがゲームを面白くするのに遥かに大事だと思っていましたが、今作をやるとその考えが浅はかだったと反省させられます。
 
 ある程度攻略パターンが固まり同じようにプレイしていると思っても毎回微妙に変化するシチュエーションによりコチラの予測を裏切る反応のせいでやられたり、逆に難しいと思っていたステージがあっさりとタイミングが噛み合ってクリアできてしまったりと、良い意味でプレイにムラが生じ、マンネリ感を遠ざけることに成功しています。これが死にゲーというアプローチと非常に相性が抜群で、死んでからプレイ再開までのロードの速さと相まって、他のゲームでは味わったことのない様なテンポの良い、しかし飽きにくいトライ&エラーサイクルを生み、中毒性に磨きをかける結果に。
 
 

まとめ

 
 間違いなくゲーム史に残るであろう怪物。出会えて本当に良かったと思える貴重で幸福なゲーム体験でした。